翌朝。


6時。まだ外は仄暗い。

先に目が覚めた私。体を動かす。


寝ぼけたままのTくん。私の手を自分の股間に誘導する。熱り立ったモノを握らせる。


そんな彼が愛おしくて、手で愛撫をはじめる。

そのままセックスが始まるのに、時間はかからなかった。


事後、お互いに倒れ込むように抱き合い、しばらく眠りにつく。


1時間ほどうとうとした頃。目覚ましのアラームで目を覚ました。

Tくんはまだ気だるそう。

そんな彼を抱き寄せる。

Tくんは、再び私の手を股間へ促す。やはり熱り立ったモノが(汗


え。2回戦?

Tくんとは、朝と夜、等の2回戦は経験済みだったけど、短時間での2回戦はまだ経験がない。


が、いつもソフトな始まり方のTくんにしては、ワイルド…と言うか貪るように2回戦が始まった。以前も書いたけど、私はTくんの声がすごく好き。


気持ちよさそうに漏れる吐息が、愛おしくてたまらない。


2回戦目のセックスが終わり、再びウトウトとする時間。なんて自堕落で幸せな時間(笑)


そのあとは、ブランチを食べて、近くのアウトレットをお散歩デート。タピオカミルクティーなんて飲みながら。私の遅い足取りに合わせてゆっくり歩いてくれる。


初めて行ったアウトレットに、見る物みんな珍しくていちいち喜んでしまう私を、Tくんは笑っていた。


私は、元旦那と別れる前、子供が生まれてから、あることをしなくなって寂しいと思っていた。


それは、「手を繋ぐこと」


恋人同士のときは自然にしていたのに、子供が生まれてから、私の手は子供と繋ぐためのものになった。それは決して寂しいことではない。

ただ…子供が大きくなってから、主人と離婚して以来、誰ともお付き合いをせず過ごしていた私は、当然男性と手を繋ぐ、なんてことも無縁だった。


Tくんと過ごすようになってから、何度か「手、繋いでほしいなぁ…」と思うことはあった。


でも、40を過ぎた男女が、それもおかしいかぁ…と諦めていた。

すると…


「!」

Tくんの手が指先に触れたかと思うと、恋人繋ぎで手を繋いでくれたのだった。


「えっ。手とか繋いでくれるの?!」


「どんだけいちいち感動するの?(笑)」


「だって、嬉しいんだもん」


「そんなに男に大事にされてなかったわけ?(笑)」


「いや、そんなことないけど。ほら。ブランクがありすぎて(笑)」


「好きな人と手繋ぐのは楽しいよね」


手なんていつでも繋いであげるよ、とTくんが微笑む。

…楽しすぎるんだがチュー


帰りは都心を下道を通り、帰路についた。

電車ではよく行く都心部の夜の明かりを、車で通って眺めるのは初めてかもしれない。


キョロキョロと眺めては「すごいねー」と感嘆の声をあげる私に、「田舎の子案内してるみたいだよ(笑)」とTくんが笑う。

だってホントに綺麗なんだもん。


「今回もいろんなとこ行ったね。昨日会ってから、もう24時間経っちゃうね。時間てあっという間だね」


Tくんが言う。


「うん。ランチに行ったお店も、アウトレットも、あのお店も、あの場所も、生まれて初めて行ったよ。楽しかったー。」


「また来月あたり温泉行こう。次は◯◯温泉でもいいなぁ。行ったことある?」


「ないよ。Tくんとだと、この歳になって初めて行く場所がすごく多いよ!」


「でも楽しいでしょ?」


「うん、すっごく」


Tくんがドヤ顔で笑う。あぁ、離れるのが寂しいなぁ。。。


この2日間。昨日の「もう俺にしとけばいいじゃん」発言に、手繋ぎデート。また少し、距離が縮まった気がする。


あ、マッチングアプリはひとまず退会してしまおう。