元旦のナゾの非通知着信。


すっかり忘れて翌日、三が日はのんびり過ごそう、と呑気に昼風呂に入っていました。


するとリビングから小学生だった長男が

「お母さん、『ケンジの妻ですが』って女の人から電話がかかってきた」


と受話器を脱衣所に持って来た。


はぁ?!


が最初の感想。


ケンジ(仮)は別れた元夫。

再婚したなんてことは、本人から聞いていない。


薄々、もしかしたらそうかも…と思ったことはあったけど。


そうだったとしても、もう彼とは他人。

子供の親、という共通点のみで、やり取りはほぼLINEのみ。

誰と付き合おうが知ったこっちゃない。


はぁ!?と思ったのは、彼が再婚したことじゃない。

小さい息子が出た家電話に、父親の妻である、と名乗ったことに、だ。


知らなかった息子がどんなに傷ついたか。

案の定、息子はこの日から家の電話に出ることが怖くなり、受話器を取れなくなった。


「もしもし。冬ですが」

腹がたったまま受話器を受け取り、脱衣所のドアを閉めてそのまま返事をした。


「はじめまして。ケンジの妻のハルコです」


「何の用ですか?」

こんな正月の真っ昼間から。


「ケンジさんが、働かないんです。私の収入をアテにして」


は?


「…それ、私に関係ありますか?」


「あるでしょう?こちらは養育費を支払ってるんだから」


「この男は世界一『結婚』という制度に向いていない」

と私が判断し、別れた男。

しかも養育費を抱えた彼と、いつどういう経緯で結婚に至ったのかは知らないけど。


「そうだとしても、養育費は私と彼との取り決めなので。奥様から直接電話をされるのは筋違いだと思うのですけど」


この訳のわからない電話に、ハラワタが煮えくり返りそうになりながら、何とか言葉を絞り出していた。


「彼、浮気するんです。」


…でしょうね。

人の性格って、そうそう変わらない。

一年の再構築期間を設けたが、心からそう思わされただけだった。


正直、このときはハルコを可哀想に思ってしまった。。。


まあ、それも後に死ぬほど後悔することになったのだけれど。