映画「るろうに剣心」で主演を務める佐藤健
8月25日に公開される映画「るろうに剣心」で主演を務める佐藤健。佐藤健という人は、不思議なくらいアンチが少ない俳優だと思う。しかも、興味深いのは、男性からの人気が高いということ。
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「るろうに剣心」のキャスティングが発表されたときにも、「武井咲より可愛い」という男性の意見が多数、ネット上で見られたほどだ。
かつては男性に存在しなかったタイプの「華奢&可愛い」現代人ルックスもあるだろうが、デビュー作が「気弱で、すぐ気絶する、史上最弱のライダー」=「仮面ライダー電王」だった影響もあるだろう。
「仮面ライダー電王」のときから、表情・仕草で多数の人格を演じ分けられる達者さは、一部で話題になっていたが、さらに大化けしたのは、なんといってもNHK大河ドラマ「龍馬伝」の岡田以蔵役だ。
それまで彼のことをよく知らなかった男性層が、佐藤健の演じる「人斬り以蔵」に夢中になったのも記憶に新しい。 キャスティングが発表された当初は「イメージが違う」「弱そう」「華奢すぎる」「ガムの(CMの)にいちゃんか」といった否定的な見方が多かったにもかかわらず、いざ番組が始まってみると、評価が大絶賛に変わっていったのは鮮やかだった。
教養もなく身分も低く、仲間から見下され、のけ者にされた「捨て犬」のような目と、武市半平太を崇拝・盲信し、最初の一人目を殺してしまったときの「狂犬」化した表情の変化・演技力には、「涙が出た」「切なすぎる」という声が続出していた。
これまで「岡田以蔵」を演じた面々は、勝新太郎や萩原健一、竹中直人、哀川翔などだったが、佐藤健の演じた「繊細さと狂気を持ち合わせている以蔵」は新しい以蔵であり、一部では「司馬遼太郎の世界の“以蔵”には佐藤がいちばん近い」という評価もされていた。
また、2011年1月15日放送分「チューボーですよ!」に出演した際には、巨匠・堺正章に「(『龍馬伝』での共演について)福山くんはどうでした?(中略)芝居のこととか話してくれたりとか? 芝居のことだとあなたのほうが上だもんなあ」と言わしめ、「ないです。まっったくないです!」と焦りつつ、「ちょっと……ビックリしました、今(笑)」と巨匠の肩に手をかける人懐っこさと、不敵さも見せつけていた。
そういえば、映画「るろうに剣心」のうたい文句は「草食系最強!」。映画自体は一部で原作ファンの抵抗もあり、公開前にややケチがついてしまった感はある。だが、人斬り以蔵に続き、案外ハマり役な気がするのだけど……。