今日の新聞にNHKのテレビ番組をインターネットで有料配信する「NHKオンデマンド」の利用者が低迷している記事が載っていた。


NHKオンデマンドは1年前に開始されたサービスだが、私も立教MBAの先輩Hさん(NHK勤務)から紹介され、その存在は以前から承知していた。



記事の中で某専門家は「視聴者のテレビに対する関心が下がっている。わざわざ金を払って番組を見たい人はすくないのでは」と述べていた。


確かにその通りかもしれないが、経営戦略を学ぶ端くれとしてこの事態にどう対応すべきなのか「ゆる~く」考えてみた。



まずオンデマンドを利用する人について列記すれば、番組を見逃した人、再放送も見逃した人が挙がる。


テレビ離れが進む中で最近のコアな視聴者は、時間的に余裕のある高齢者が中心ゆえ、NHKの配信するコンテンツに最も興味を示すセグメントが、番組を見逃す事は考えにくく、つまり一番ボリュームのある顧客層がオンデマンドを利用する確率は低そうだ。


これを含めオンデマンドを必要としない人について改めて考えると、番組を視聴した人、番組を見逃したけど録画した人に限られそうだ。(※番組に興味のない非顧客は対象にしていません)




これらを早稲田MBAの内田教授の異業種競争戦略の論理で考察すれば、「NHKのオンデマンド」と「テレビの録画機能」は同一の顧客を奪い合う異業種格闘技を展開していると言えそうだ。




テレビの録画機能が競合で、メインの顧客は高齢者。。。どうすれば、この競争に勝つことができるのだろうか?




私は番組を放送する時間軸に注目した。


番組の視聴者が「NHKの定時放送」→「再放送」→「オンデマンド」の順に発生して行き、「定時放送」または「再放送」時に録画されて「オンデマンド」まで顧客が回ってこないとすれば、「NHKのオンデマンド」を前倒しして放送すればよいことに気付く。


つまり「NHKの定時放送」例えばNHKスペシャルを、全国放送の1週間くらい前からオンデマンドで視聴できるプレミアムを与えれば良いのだ。


これが実現できれば「テレビの録画」を無用にさせ(またはオンデマンドを録画するようになり)、時間的に余裕のある高齢者も全国放送を待たずに積極的に視聴していくことが予想できる。



再放送やオンデマンドのニーズは、自分のスケジュールと番組の放送時間が一致しなかった時に発生する。


スケジュールが一致するタイミングは番組放送後だけではなく、放送の3日前という場合もある。


番組を視聴する絶対数は限られており、「定時の放送時」と「再放送」と「録画機能」に分散する視聴者をどれだけ「オンデマンド」に取り込めるかが勝負だと思います。




放送業界のことを全く知らない身分で、好き勝手な仮説を立ててみました。


さて気分転換したところで、修論に戻りましょうか。