足を波打ち際に浸してみたところで


気が付けば足を掬(すく)われ


波間に翻弄されるような弱い存在でもある。



王座の栄冠を得ようとも


自然という大きなものの前では


私の磨き上げた力さえ淡く砕けてしまう…。



虚栄という空虚な栄冠に縋(すが)るよりも


ただ、波の寄せては返すように繰り返し


湧き出でる心の囁きに心の視力を向けてみようか…。



いつから私の心は、自分を見失ってしまったのか…。