「地元書店がそれぞれ持ち味を生かして書籍を持って着てくれる。その中から司書が選び、ラインアップを充実させている」と、鳥取県 立図書館(鳥取市)の小椋誠副館長(55)は話されます。


 蔵書127万冊の同館は1990年の開館当初から、購入する 本を地元書店が持ち込んだ書籍から選ぶ「見計らい」を行ってきました。


週 2回開かれる見計らいには、県内の六つの書店が交代で参加します。


 7月中旬、図書館の選書室に「世界の大学図書館」「古文書用語辞典」といった人文系などの書籍約230冊が持ち込まれました。


約 90㌔離れた同県米子市にある「杉島書店」の杉嶋運一代表(75)が見計らいのため棚に並べると、司書ら約40人が 1冊ずつ手に取り、98冊の購入候補を決めていきました。


 同館は書籍と雑誌の購入に年間約 1億円の 予算を持っており、2022年度はその96%を使って県内書店から購入しています。


杉嶋代表は「経営面で大きな助けになっている。図書館に新刊を提案することは書店のレベルアップにもつながる」と話されます。


県立図書館側も「見計らいを通じて司書の力量も上がっている。鳥取方式は県の文字・活字文化に貢献している」といいます。


地元書店からの直接購入や見計らいは、福島県白河市や愛知県瀬戸市などでも行われています。


 その 他、東京町田市では、書店が市立図書館の本の貸し出しに一役買っています。


 同市を中心に展開する書店「久美堂」本町田店では昨年 5月から、利用者がネットで予約した図書館の本を、店頭で受け渡しするサービスを行っています。


今年 6月までの利用者は約5000人に上り、児童書を中心に約9000冊が貸し出されました。同店は市内八つの図書館から離れた「空白地帯」にあり住民の二 ーズが高いといいます。


 連携の相乗効果は書店にも及んでおり、図書館では備えていない学習参考書の売り上げは約20%増え、児童書や文具も伸びたといいます。


久美堂の千葉義勝専務(67)は「図書館で気に入った児童書を繰り返し読もうと、購入するケースが多い。書店と図書館は手を取り合い、読書好きを増やすパートナーになろうとしている」と話されるのです。


〈 この頃 は、滅多に本を読まなくなりましたね。若い 頃は、日本史、世界史、中国史、昭和史の天皇など、片っ端から読んだものですが。〉