日本植物生理学会のサイトによりますと、アサガオのつるは長い間、左巻きと呼ばれていたそうです。しかし、現在は、時計回りに伸びていく場合を「右巻き」と定義し、アサガオはこれに当たるといいます。

 

 右と左の関係は、考えると本当にややこしく、「円の右半分」と言えば向かって右側ですが、円に両目を描くと、右目は向かって左です。

 

自動車や電車の左右は進行方向が基準となり、向かって左に見えても右ハンドルといいます。鏡に映った姿は「左右が反転している」とされますが、右手を挙げると、鏡の中でも右側の手が挙がっており、反転はしていないとも言えそうなのです。

 

 「右」の説明は難しく、国語辞典の語釈がバラエティーに富んでいるいることはよく知られています。

 

「南に向いた時、西にあたる方」(広辞苑)、「『一』の字では、書き終わりのほう。『り』の字では、線のながいほう」(三省堂国語辞典)、「人体を対称線に沿って二分したとき、心臓のない方」(明鏡国語辞典)などです。

 

今年刊行された「三省堂現代新国語辞典第七版」では、「視線の方向で引いた基準線」という考えを用い、例えれば「松」の「公」に当たる部分だと新たな説明を試みています。

 

 辞書編集部を舞台にしたベストセラー「舟を編む」(三浦しをん著、光文社)は、今年放映されたドラマ版(NHK)も素晴らしかった。

 

女性編集部員が自分なりんの右を考えるよう勧められ、「朝日をみながら泣いたとき

、暖かい風に吹かれて、先に涙が乾く側のほっぺた」。失恋し、海辺に立った際の体験が、詩的な右になりました。

 

< 読売新聞の「言の葉巡り」が余りにも面白いのでパクリました。あなたなら「右」をどう説明されますか、私には、とてもできそうにありませんね(笑)。>