A I を駆使した兵器は、すでに戦場に投入されています。ロシアによるウクライナ侵略では、双方の軍が、標的を選別する A I を使って無人機による攻撃を行っていますし、イスラエル軍もパレスチナ自治区ガザで、同様の A I 兵器でイスラム主義組織ハマスの戦闘員を識別しているといいます。

 

 A I を搭載した無人機は、遠隔操作が不要で、省人化を図れるといった利点があり戦場の膨大な情報を短時間で収集・分析し、作戦に役立てることも可能です。

 

 こうした兵器は現在、標的の選別までは A I が行いますが、攻撃するかどうかは人間が決めているといいます。しかし、近い将来、人間の関与なしに A I の判断で攻撃まで行う自律型致死兵器システム(LAWS)が登場する可能性が高いと思われます。

 

 LAWSは、いったん起動させると、人間の管理を完全に離れます。仮に A I が判断を誤れば、誤爆や無差別攻撃など想定外の甚大な被害が生じる恐れがあります。

 

LAWSの実用化は、人道上も倫理上も到底容認できるものではありません。国連は昨年12月、加盟国にLAWSに関する見解をまとめることを求めた総会決議を採択しました。これを受け、日本はLAWSを「開発する意図はない」としたうえで、国際的にも開発や使用は認められるべきではない、と記した文書を国連に提出しています。

 

 途上国などは一切の開発の禁止を求めていますが、ロシアやイスラエルなど A I 兵器の開発国は、条約で開発を禁じることに後ろ向きですし、米国は、まず緩やかな行動規範を作り、将来的には条約で開発を制限すべきだと主張しています。

 

戦闘の様相を一変させることになるLAWSは、歴史的に、核兵器に匹敵する軍事革命になるとも言われているのです。

 

< 映画、ターミネーターの最初の画面を思い出しますね。人類とLAWSの戦闘シーンがありました。現実となるようで人類の愚かさを思うばかりです。>