総務省の有識者会議は先月の26日、電波の有効利用や産業振興に向けた報告書をまとめました。

 

自動運転に必要な周波数帯を確保するため、国が主体となって周波数の再編を促進する制度を検討するよう求めており、また、企業の設備投資や無線通信関連の成長が進めば2035年の実質国内生産(GDP)を約53兆円押し上げるとの推計も示しています。

 

 報告書では、電波について「次世代モビリティ(移動手段)など新たなビジネスの基盤になる」と指摘。現在、急速に開発が進む自動運転を巡っては、走行中のクルマが大量の情報を無線通信でやり取りすることが想定されており、必要な周波数帯をいかに確保するかが課題となっています。

 

 電波の有効利用に向けた政策の柱としては、①海や空、宇宙などあらゆる空間での電波利用拡大への対応、②電波の需要増をふまえた周波数移行や再編の促進、③インフラとしての無線ネットワークの安全対策の強化――を挙げています。

 

 自動運転向けの周波数帯確保のほか、具体的な対応として、人工衛星とスマートフォンの直接通信の実用化に向け、地上と宇宙向けの通信用に二重で電波利用料を支払う必要がある現行制度を見直す必要性も指摘しています。

 

今年1月の能登半島地震で、携帯電話基地局で長期にわたる停電が問題となったことを受け、通信会社などが国に支払う電波利用料の使途を広げ、停電などの災害対策に活用することを検討する方針も盛り込んでいます。

 

 総務省は意見公募を経て、今夏にも正式に報告書をまとめ、そのうえで必要な法令改正などを進める方針です。

 

< ラジオ、テレビ、スマートフォンと、電波需要の急速な拡大は、本当に喫緊の課題ですね。数十億台と思われるスマートフォンの周波数の振り分けはどうなっているのでしょうかね??。>