ロシアの侵略を受けるウクライナ最高会議(国会)は11日、兵力の動員強化に向けた動員法改正案を可決しました。

 

不正な動員逃れに対する罰則を追加する一方、動員済み兵士らの家族から要望が強かった「動員解除」の規定はされており、今後、徴兵や動員を巡り批判が高まる可能性があります。

 

 ロイター通信によりますと、採決に出席した軍高官は議員らに「我々は最後の力を振り絞って防衛を維持している。この法案が通れば、ウクライナ軍は決して国民を失望させない」と訴えたのです。ゼレンスキー大統領が近く署名する見通しです。

 

ウクライナは、ロシア軍が30万人の追加動員を準備し、5月末にも攻勢を仕掛けるとみており、兵力確保は喫緊の課題でしたが動員強化には国民の反発もあり、世論の動向に配慮しながら慎重に進められてきました。

 

 ウクライナ国営通信などによりますと、今回の改正法案では動員がスムーズに行えるよう、18~60歳の男性に軍当局へ最新の個人情報を登録することなどを求め、違反すれば車の運転が禁止されます。

 

また海外在住者も対象で、登録がなければ旅券更新ができないことから、動員逃れを防ぎ、不公平感を払拭する狙いもあります。

 

 当初の法案に盛り込まれていた「36か月後の動員解除」や交代の規定は採決直前、軍の要請で削除されました。兵力確保を優先した結果です。

 

ゼレンスキー大統領は2日、徴兵対象年齢の上限を27歳未満から25歳未満に引き下げる法律に署名し、戦闘に動員できる年齢を事実上25歳以上に引き下げています。

 

 前線で2年以上戦う兵士の疲労は著しく、多くの若者はすでに不正に出国するか前線で戦闘に参加しているとされ、法改正で十分な兵力確保や士気向上にはつながらないとの指摘も既にあるのです。

 

< 武器は支援するが兵士は送らないNATO。米国の大統領選が終わるまでは戦闘が続  

 くと思うのですが。>