今年は1年が366日ある「うるう年」で、余分に増えた日を「うるう日」と呼びますが、1日に1秒加える「うるう秒」も存在しています。

 

しかしこの「うるう秒」、実は昨年12月、アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイで国連専門機関・国際電気通信連合(ITU)の会議が開かれ、原則2035年までに実質的に廃止することが決議されました。

 

 地球が1回自転する時間に基づく1日の長さは、高精度に計測するとピタリ24時間(8万6400秒)ではなく不規則に変動しています。潮の満ち引きで起こる海水と海底の摩擦などが影響し、自転速度は長期的に遅くなっています。

 

そこでITUの会議での承認を経て、72年以後に導入されたのがうるう秒です。原子時計で刻む世界の標準時「協定世界時」とのずれの上限値を0.9秒と定め、上限を超えそうになると1秒を挿入します。

 

例えば、「8時59分59秒」の次は本来、「9時」になるところを「8時59分60秒」とカウントします。挿入時期は、自転速度の観測に基づき半年前に決定します。挿入は過去27回あり、日本など各国が一斉に時刻を調整しました。

 

 しかし、新たな懸念が生じました。挿入の次期は不規則なため、時刻を同期させながら機器を動かすIT技術の発展に伴い、システム障害など弊害が指摘されるようになり、過去には航空会社の予約システムが停止し運航が乱れるトラブルが発生したり、1秒で膨大な取引を行う金融業界は、挿入の度に世界規模で対応を迫られました。

 

 2000年頃から廃止が議論されるようになりましたが、うるう秒を組み込んだ衛星測位システムを運用するロシアなど一部の国が反対し、長年議論が足踏みしてました。

 

決着のきっかけは自転速度の変化で、近年は長期的な傾向から外れ、速度が速まっているのです。1秒を取り除く「負のうるう秒」を行う可能性が浮上し、前例のない調整に伴う混乱への懸念が強まる中で、

 

特にSNS大手メタ(旧フェイスブック)など、世界中にユーザーを抱えるIT大手を中心に廃止を求める声がたかまったのです。

 

< プラスでも混乱があるのに、初めてのマイナスでは大混乱ですね。ところで、自転速度が速まると、遠心力の加減で体重が軽くなりますかね?。>