障害のある児童生徒らが通学する公立の特別支援学校で、教室の不足が昨年10月時点で3359室に上ることが先月の26日、文部科学省の調査で明らかになりましたが、背景には特別支援学校に在籍する子どもの急増があり、都市部の学校を中心に深刻な教室不足が続いています。

 

調査は、全国の公立特別支援学校1116校を対象に、昨年10月1日時点の状況を聞いたもので、その結果によれば、全国で不足している教室は計3359室あり、前回の2021年度調査から381室減へったものの、依然として高止まりの傾向が続いています。

 

不足する3359室のうち、今後の児童生徒らの増加に応じて必要となる教室は691室で、一つの教室を間仕切りで二つに分けて別のクラスがそれぞれ使うなど、教育環境が不十分なため、教室を新たに確保する必要があるとされたのは2668室でした。

 

 主に都市部で教室不足が常態化しており、都道府県別では東京都が558室で最多であり、続いて大阪(370室)、千葉県(263室)、埼玉県(189室)と続いています。

 

東京都教育委員会の担当者は「計画的に特別支援学校を新設して整備を進めているが、在籍者数の増加に追いついていないのが現状だ」と話します。さらに、特別支援学校はスクールバスの駐車場整備など一般の小中学校より広い敷地が必要なため、都市部では土地の確保が難しいといった課題があるのです。

 

 文部科学省は特別支援学校教員の免許保有状況も公表しましたが、昨年5月1日時点で、担当する子どもの障害に対応した免許をもつ教員は87.2%で、前回の22年度調査と同じ割合でした。同省は100%の取得を目標としています。

 

また、文部科学省はタンの吸引などの日常的な医療行為が必要な「医療的ケア児」の実態についても、調査結果を公表しています。

 

結果によりますと、昨年5月1日時点で特別支援学校に在籍する医療的ケア児は8565人(前年度比204人増)、それ以外の幼少中高に在籍するケア児は2199人(同69人増)で、いずれも増加しています。

 

< 子どもの出生数は減っているのに、特別支援学校の在籍者数が増加しているとは、どういうことなのでしょうか?。>