北京の大学で中国語を学んだ30歳代の韓国人男性が最近、ソウルで中国系の大手広告会社に転職し、給与が増えたといいます。

 

 留学時代の中国は彼が「中国は13億人にガム1枚ずつ売っただけでも大儲けできる」と話すほど、巨大な中国はチャンスに溢れる場所で、教室にはそんな期待を胸に中国語を学ぶ韓国の留学生がたくさん居たといいます。

 

しかし様子は一変し、韓国教育省によりますと中国で学ぶ韓国人留学生は昨年4月時点で約1万6000人と、ピークだった2017年の5分の1に急減しました。コロナ禍も影響したようですが、韓国では中国語学科を無くした大学もあり、不人気なのです。

 

 最大の原因は中国の習近平政権の高圧的な姿勢なのです。韓国は北朝鮮のミサイル防衛のため、16年に米軍攻撃システム・THAADの国内配備を決めました。

 

対して中国は、レーダーで自国が監視されると反発し、韓国系スーパーの中国での営業を妨げるなどの報復措置を連続して発動したことから、中国に好感を抱かない世論が約8割に達しました。

 

 韓国では中国の脅威ばかりが強調されるようになり、テレビドラマも例外なく、昨年ヒットした時代劇「恋人」は、17世紀の李氏朝鮮時代に清朝から攻め入られた史実を基に制作されたものでした。

 

それは、朝鮮の男女が中国のどう猛な侵略者に捕虜として連行され、虐殺された屈辱の歴史が描かれているのです。

 

 日本と韓国は対中外交で共通の課題が多くあり、米国との同盟関係を強化しながら、中国との関係をどのように安定化させるか、また不当な経済的威圧に共に対抗する有効な手立てはあるのか、協力の余地は大きいのです。

 

< 韓国の文在寅前大統領は、演説で中国を「高い峰」、韓国を「小さい国」と表現するなど低姿勢外交の典型だったと批判されています。

 

結局、習政権から軽んじられ、未だTHAADの報復措置の一部も解除されないまま残っているのです。>