「飛び出すな 車は急に止まれない」。

 

この有名な標語は、1967年の交通安全年間スローガンで内閣総理大臣賞に選ばれたもので、当時は年間1万人以上の方が交通事故で亡くなっており、「交通戦争」と呼ばれた時代に、耳に残りやすいフレーズは依頼、子どもたちの不注意を戒める効果を発揮してきました。

 

 2018年12月、長男の朗(あきら・当時31歳)さんを交通事故で亡くされた大西まゆみさん(64)は、この標語を少し違う角度から見ていました。

 

事故では、乗用車が法定速度60㌔の国道を約146㌔で走ってタクシーに突っ込み、乗客だった朗さんを含む4人が死亡、1人が重傷を負いました。検察は、乗用車の運転手を危険運転致死傷で起訴したものです。

 

 猛スピードで走って5人を死傷させた事故が「危険運転」でないはずはない――。

大西さんはそう信じていましたが、なんと、法律の壁が立ちはだかったのです。

 

自動車運転死傷行為処罰法では、制御困難な高速度で走って事故を起こした場合に危険運転として処罰されます。しかしこの条文はいくら猛スピードで走っても、車をちゃんとコントロールできれば危険運転には問えないと解釈される傾向があるのです。

 

 裁判所は結局、法定刑のより軽い過失運転と判断し、運転手には懲役7年が確定しました。

 

昨年12月、法改正を求める提言が首相や法相に提出されたとき、その場に出席されていた大西さんは、どう見ても「危険運転」なのに「危険運転」にならない理不尽さを訴え、標語を引き合いに話されたのは、

 

「車は急に止まれないから飛び出すなという言い方は、道路は車が優先で、飛び出した方が悪いという時代のものだと感じる。ましてや146㌔で走る車が急に止まれないのは当然で、こちらが悪いはずがない。悪質な運転手の刑を軽くするような法律は、何としても変えてほしい」と。

 

 大西さんら遺族の声を受け、法務省は今月から、有識者検討会を設けて法改正を視野に議論を始めます。

 

「制御困難な高速度」という文言を見直すべきか、見直すならどんな表現がいいか。飲酒運転や赤信号無視で事故を起こした場合の罰則は今のままでいいのか。論点は多岐にわたっています。

 

<「のんだら のるな  のるなら のむな」「せまい日本 そんなに急いで どこへ行く」

と、半世紀以上呼び掛けても、これらが原因の事故が本当に無くなりませんねムキー

 

 株が34年2か月ぶりに史上最高値だと浮かれていますが、日本経済が34年2か月成長しなかったということですよ!。浮かれていいのですか?、反省ですよムキー。>