外交上の機密情報を含む公電をやり取りする外務省のシステムが中国のサイバー攻撃を受け、大規模な情報漏えいが起きていることがわかりました。

 

関係者によりますと、米政府は安倍政権当時の20年夏、当時の米国国家安全保障局(NSA)のポール・ナカソネ長官が急きょ来日し、「日本の在外公館のネットワークが中国に見られている」と日本側に伝え、日本政府高官と会談したほか、日米の実務者が対応を協議したといいます。

 

しかも、日本政府は指摘されるまで、攻撃を受けたことさえ知らなかったといい、日本の信頼を揺るがすゆゆしき事態なのです。

 

その上、政府のサイバー対策の司令塔である内閣サイバーセキュリティセンターも昨年、サイバー攻撃を受け、民間事業者などの個人情報の漏えいを許したといわれ、民間を指導する立場にありながら、体制の不備を突かれるようでは話になりません。

 

 サイバー攻撃の手口は巧妙化し、脅威は増大する一方で、その攻撃を食い止め、被害を最小限に抑えるのは、具体的な攻撃の事例を官民で共有し対策を講じなければならず、政府機関や重要インフラ事業者はソフトウェアの頻繁な更新や、システムの強靭化に取り組むことが大切です。

 

サイバー人材の不足という弱点を解消することも欠かせず、防衛省や総務省などの次官経験者らが中心となり、先月やっと官民の専門人材の育成を目的とした民間団体が発足しました。

 

 また、サイバー防衛の体制強化にはほかにも克服すべき課題がありますが、それは、重大なサイバー攻撃を未然に防ぐには、相手のサーバーを探索、攻撃して無害化する「能動的サイバー防衛」の実現が重要なのです。

 

政府はその導入を検討してきましたが、通信事業者から通信記録の提供を国が受けることになれば憲法が保障する「通信の秘密」に抵触しかねない、という指摘があり、当面の法整備は見送る方針なのです。

 

しかし、手を拱いていたら、重大なサイバー攻撃で社会が混乱に陥るリスクは高まるばかりです。政府は憲法解釈を整理して、新たな脅威への備えに万全を期すべきなのです。

 

< 書かなければならないと思っているうちに、昨日の読売のトップニュースになってしまいました。性善説の日本人の最も苦手な分野ですので、米国さん、お手数をおかけしますがよろしくお願いします!。>