最大震度7を観測した能登半島で、北陸電力志賀原子力発電所(石川県志賀町)の再稼働に向けた審査が長期化する見通しとなりました。

 

北陸電力の想定より長い海底活断層が連動した可能性が浮上したため、原子力規制委員会は、原発への活断層の影響を見極めるには数年レベルの時間が必要との見方を示したのです。

 

 同原発には1、2号機の2基の原子炉があり、東京福島第一原発事故があった2011年に運転を停止しましたが、北陸電力は14年、2号機の再稼働を目指し安全審査を申請していました。

 

 規制委員会の審査では、原発周辺の活断層などがもたらす最大規模の揺れ「基準地振動」を決め、原発の耐震設計に反映させますが、これまでは、敷地内の断層が活断層かどうかに時間を費やし、これから周辺の活断層に関する審査を進める矢先に大地震が起きました。

 

 北陸電力が準備した審査資料では、能登半島北部に連なる計約96㌔・㍍の海底断層が連動する可能性を説明していました。

 

これに対し、政府の地震調査委員会は今回の地震では、海底活断層が連動するなどして約150㌔・㍍の岩盤が動いた可能性を指摘しており、活断層が長ければ想定される地震の規模は大きくなり、審査資料の根拠が揺らぎかねないのです。

 

 原発周辺にはこのほかにも陸域、海域に多数の活断層があり、このうち原発に近い志賀町沖合の活断層は今回の地震で動きやすくなったと指摘する専門家もいます。

 

活断層の影響が不明なままでは原発の耐震設計はいつまでも定まらず、再稼働できない状態が続きます。

 

 規制委員会の山中伸介委員長は、活断層について国などの調査を待つ必要があるとした上で「恐らく年単位の時間がかかる。審査はそれ以上の時間がかかる」との見通しを示されているのです。

 

< 北陸電力さんには、「今回の大地震が起きたおかげで、それこそ、原発事故を起こさぬことができた。」と考え、前向きにその対応を講じるべきです。>