米大統領選の共和党指名候補争いの火ぶたをきった15日のアイオワ州党員集会は、極寒の中で行われ、出席率こそ伸び悩みましたが、会場は1票を投じるために駆け付けた党員の熱気に包まれました。

 

党員集会は午後7時から各地区の教会や学校など1600超の会場で一斉に始まりましたが、寒波に見舞われ「これまでで最も寒い党員集会」となり、氷点下20度に迫った州都デモインのフランクリン中学校には、開始2時間前から服を重ね着した党員が集まり始めました。

 

トランプ前大統領を支持するデイリー・ヨーストさん(78)は「トランプ氏が大統領に返り咲く過程にどうしてもかかわりたかった」と迷わず参加を決め、一人では出歩けない近所のドン・ベルタ―さん(85)も車の助手席に乗せ、凍結した道路を慎重に走って会場にやってきたといいます。

 

 アイオワの党員は2016年党員集会で、過激な言動で旋風を巻き起こしたトランプ氏を吟味し、僅差の2位にとどめましたが、今回は00年にブッシュ元大統領(子)が獲得した41%を10㌽上回る史上最高の51.0%の得票率を与えました。

 

アイオワで痛感するのは、8年の時を経て、トランプ氏の世界観を信じ切るようになった人の多さです。闇の政府が政権を操っている。20年の大統領選は結果は民主党に盗まれた。議会占拠事件が民主主義を傷つけたと言えば、「バイデン政権は『国』を傷つけた」と感情的な反論がまっています。

 

 左右の分断が深まる米国で、保守的な共和党員の多くは、トランプ氏こそリベラルな民主党を打倒する「強さ」があるとみなしており、今回のトランプ氏の圧勝が、それを雄弁に物語っているのです。

 

米国の民主主義はどこに向かうのか。有力候補が真っ正面から問題提起もせず、共和党内レースはトランプ氏独走のまま終わるのか。共和党だけでなく、米国の未来に危うさを感じる初戦だったのです。

 

< 「米国の敵は 米国」という今年のリスク1位が、当たっていますね!。>