習政権は、「脱中国」の動きに警戒を強めていると思われます。

 

昨年12月、日系商業団体の幹部に地元政府から連絡が入り、「私たちにできることがあれば遠慮なく言ってください」と。

 

企業の事業環境を改善し、できるだけ中国に引き留める意図とみられ、低姿勢な態度に驚かされたといいます。

 

 政府系メディアの経済日報は今月、

 

「中国は世界経済と密接に結びつく。米国のデカップリングは自国の企業や経済を苦しめる原因になる」との論評を掲載し、脱中国の動きをけん制しました。

 

 昨春の上海の都市封鎖や11月以後の感染爆発で中国経済は低迷が続いています。

 

22年の経済成長率は「5.5 % 前後」の目標を大きく下回る3.0 % で、失業率も5% 台で高止まりしており、

 

工場の撤退や移転で雇用が失われれば、「一党支配」の堅持に向け、最も重視する社会の安定を揺るがしかねません。

 

 一方、企業にとって、14憶の人口を抱え、中高所得層の強い購買力のある巨大市場の魅力は大きく、脱中国は難しい面もあるのです。

 

 衣料大手の米ナイキやスウェーデンの H&Mは21年、不買運動を受けています。

 

新疆ウイグル自治区で栽培された綿に強制労働の疑いがあるとして、両社が調達先から排除したことがきっかけでした。

 

また、世界販売台数の2割を中国がしめるアイフォーンも、不買対象にされたことがあります。

 

 今年3月の全国人民代表大会(全人代=国会)で、経済の責任者となる首相職は、習氏の最側近とされる李強氏が就任される見通しです。

 

そして、「全人代で打ち出す経済政策を見てから、対中投資の今後を判断すればいい」(日系企業役員)という、脱中国加速に慎重な意見もあるのです。

 

< もし、脱中国をしないなら、本当に中国を長期的な目線で、腰を据える覚悟が必要だと思いますね。>