新型コロナウイルス感染症が全世界に広がりましたが、日本を含むアジア地域で人口あたりの死者数が少ない理由に着目し、解明する研究が盛んになっています。

 

その中で今、新しい説明として急浮上しているのが、過去に似た弱毒のコロナウイルスが流行した結果、新型に対する免疫もある程度ついたとする 「交差免疫説」 です。

 

  米ラホイヤ免疫研究所などが新型ウイルスの流行前から米国で採取・保存されていた血液を調べた研究では、約半数から新型を認識する免疫細胞が検出できたといいます。

 

似たウイルスで交差免疫が起きた可能性を示す成果です。

 

  冬を中心に流行する季節性のコロナウイルスは軽い風邪を起こすだけで研究が進んでいません。

 

アジアで過去に新型に近いウイルスの大きな流行があり、欧米人よりも強い交差免疫ついていたとすれば、人口比の死者の差に説明がつきます。

 

  アジアで交差免疫の本格的な研究はこれからですが、示唆する研究はあります。

 

東京大の児玉龍彦名誉教授らが新型コロナウイルスの軽症患者の血液を調べると、まったく新しい病原体に感染した時に初期にできる抗体が、増えにくいことがわかりました。

 

この抗体は、国立感染症研究が発症から9~12日たった患者21人を対象にした調査でも、1人しか陽性にならなかったため、過去に別の似たウイルスに感染して免疫がつき、新型を初めてのウイルスと認識しなかった可能性があるのです。

 

  宮沢正顕・近畿大教授(ウイルス感染免疫学)は交差免疫の可能性について 「仮説としてはありうる。死亡率の違う地域間で抗体の量や交差反応に関するデータを集め、比較する研究が必要だ」 と指摘されています。

 

< 山中教授のファクター X の一つの候補ですが、確かに欧米に比較して感染者、死亡者が少なすぎますね。X は何でしょうか、複数の要因はあると思うのですが。>