娘に変化がでてきたのが、入院から2週間ぐらいたったころでした。

体重が割と順調に増えてきたから、主治医のM先生がトイレは部屋ではなく廊下のトイレで良いこと(トイレは中がひろく、洋式トイレの横にポータブルトイレがおいてありました。ポータブルトイレで用を足したら、ナースコールして尿量をはかりました)
キッズルーム(部屋の斜め前にありました)までなら、部屋から出ても良いこととなりました。

院内学級は、希望しましたが、4週間の入院予定だったせいか入れてもらえませんでした(実際8週間にのびましたが)

娘はずっと耳をいじりながら立っているだけで何も興味しめさず、私が何だかんだとはなしかけても無反応でしたが、だんだんと話しかけに応じるようになってきました。お向かいのベッドの2歳の男の子がすごく可愛くて、カタコトの言葉でいろんな人の口まねをするので、それを聞いて笑ったりもする様になりました。

ディズニーの雑誌を一緒に見てほしいといい、「ラプンツェルかわいいね」とか「またマーメードラグーンにいきたいな」とか小さな声で話してくれました。一番嬉しかったのは、レストランのメニューをみて「おいしそう。食べてみたいな」と言ったときでした。私はつとめて、冷静に「そうだね。また退院したらディズニーランド行こうね」とだけいいました。

摂食障害の症状がきついとき、まわりは食事に関しては、淡々と反応したほうが良いらしく、プレッシャーになるので過度に喜んでも悲しんでもいけないそうです。

だんだんと私に甘えるようになりました。
髪を洗ってほしい、とか、寝る前に足をマッサージしてほしいとか、一緒に遊んでほしいとか。私は娘が普通に甘えてくれることが、うれしくて、なんでもいうことをきいてあげました。キッズルームで一緒にジェンガをしたり、長ーい髪をせっせと洗ったり、乾かしたり。

娘のこのときのお気に入りの遊びは、ワード集めゲームです。私が数枚の紙に言葉をかき、それを廊下やキッズルームや病室のベッドなどに隠し、娘が探し当てて、言葉を繋げるといった遊びです。例えば「り」「き」「ん」を探させて→答え、きりん。とか。

娘が移動をゆるされている範囲は狭かったので、何十回もやっていると、隠す場所もだんだんと同じになってきて困りましたが(笑)


入院していた時期、娘とたくさん遊び、たくさん話しました。

鼻から管をいれ、ほほは相変わらずこけていましたが、飢餓でえぐれたお腹が少しふっくら感がもどってきました。それとともに、娘の気持ちも変化が少しづつ出てきたようでした。