発達障害は先天性の障害なので、大なり小なり子供の頃から特性があります。

ですが、子供の頃は特性があまり目立たず、大人になってから発達障害と診断される人も多くいます。

"大人の発達障害"と言ったりしますが、私もその一人です。

とはいえ、全く身に覚えがなかった訳ではありません。

子供の頃からなんとなく周りと違うな、馴染めないな、と言うことはありました。


細かく思い出してみると、

幼稚園の頃は、あまり覚えてないけど、まあまあ友達も多くて、特に問題はなかったみたいです。

小学校3年までは問題なく、どちらかというとクラスの中心にいて、勉強ができることもあって学級委員をしたりもしました。

ただ、小3でまあまあな怪我を負って(後遺症はないけど)しばらく休んだのですが、母親が怪我を契機にだいぶ過干渉・過保護で、おかしくなっていきました(休み明けからは多少ギクシャクはしたけど、人間関係でで困るということはなかったです)。

それから、小4で、クラスで孤立して、いじめられました。ばい菌扱い、二人組、三人組作る時に絶対入れてもらえない、集団下校で一人取り残される、などなど。いじめの理由はよくわからないけど、空気が読めなかったせいかもしれないし、別の理由があったのかもしれません。

いじめ自体大したことはないけど、かなりきつかったです。消えたい、って毎日思いながらも、休むことなく学校には行きました。それからはずっともう"人"が怖くて、それは今でもです。


ほとぼりが冷めるように、小6くらいにはいじめもなく、普通に友達もいて、中学も友達と割と楽しく過ごしました。

高校も1、2年は普通に友達もいて特に問題とかもなかったんですが、3年で最初の友達作りに失敗して、1年間ずっと孤立してました。いじめられるとかでもなく、班が同じになれば普通に話すけど、ぼっち。


大学時代は正直、きつかった。大学でも、家でも。

最初に、あるグループと一緒にご飯を食べるようになったけど、その内の1、2人に嫌われて、でもぼっちになるのが怖くて…その内、一緒に行動するけど、実質グループ内でぼっちに近い状況でした。

家では母が大荒れでした。まずは過干渉・過保護(中・高校の頃も過干渉はひどかったですが)。スマホは寝てる間にロック解除されて見られて(何度も開けようとしてる所で目を覚ました)、机の中は鍵付きのところも含めて全部奥まで捜索されて、バックの中も見られるし、家中で後ろを付いてこられて、トイレまで開けられて前でずっと話しかけられて、友達と遊びに行く時は"相手、場所、時間"を言うのは当たり前で、怖いのは遊んでる場所に偶然を装っていたりして…

理由もなく不機嫌になって、八つ当たりしてきて、それに口答えしたらブチ切れて…ハイターや包丁持ち出して「一緒に死のう」とか諸々。一方で異様に優しい時もあるからこそ、憎みきれないところもあったりしました。

毎日しんどくて、死にたくて、何度か自殺未遂をやらかしたりしました。

流石に、この頃には、問題は自分にあるんだろうというのは確信に変わっていました。大学の精神科の授業で、ASDが出てきたり、メディアやネットでコミュ障、アスペ(侮蔑用語ですが)って言葉を頻繁に見るようになってたのもあって、こういう類のものに自分が当てはまるんじゃないかと何度もネットの自己診断をしたりしました。

精神科・心療内科をいくつか行きました。でも、ほとんどの精神科医は、「医学生」という身分を言った途端、「医学部の入試をパスしてるなら、なんの問題もないよ」あるいは「環境のせい」と、詳しい検査とかまではされませんでした。

あながち環境のせいは間違いじゃないだろうけど、ベースにASDがあって、そのせいで周囲に馴染めなくて、二次的に抑うつ状態だったんだろうと思います。


意外と、2年間ある研修医時代はそんなに問題なく終わりました。

救急対応だけは苦手だったけど、それでも1年目が終わる頃には問題なくこなせるようにはなってました。

個人的には1、2ヶ月で環境が変わるのがありがたくて、というのも、短期間だと、"空気読めないコミュニケーション取れないダメな部分"を隠して、それなりに普通っぽく振る舞えるんです。

それに何より、研修医は、よほどヤバい人でなければ自分ところの診療科に来て欲しい(人が増えると仕事量が減る)からお客さん的な部分も多少あって、親切にされることの方が多いんです。

なので、意外とそんなに困りませんでした。


今の診療科の医局に入って、最初頃は問題ありませんでした。

まあとはいえ、そんなに空気読める方じゃないなとは思われてたし、優秀な方でもないと思われてたけど、全然ダメダメでもなく、飛び抜けてもない凡庸な若手医師的な立ち位置で、コミュニケーションもとりあえずは問題なく取れてました。


今の職場に変わってから、上手くいかなくなりました。

全体を見通せなくて、段取りが悪いせいで外来に時間がかかってしまう。

マナーとしてするべき連絡をせず、怒られる。

患者さんや家族の生活・経済面・居住地・性格など総合的に考えて治療や対応をすべきなのに、その辺考えずに教科書通りのことをやろうとして、周りのコメディカルに注意されまくる。

立て続けにそれが続くと、ダメな医者が来た、という雰囲気になり、周りも当たりがキツくなり、他の人なら許される小さなミスもキツく言われたり…


そんな状況で、同じドクターから「発達障害とかもしかしてある?」って言われて、それが最後の受診の後押しになりました。

一つ目のメンクリでは、母親の環境によるAC(アダルトチルドレン)と、二次的に双極性障害との診断。

並行して二つ目の、発達障害検査をしているところにも行って、そこでは知能検査(たぶんWAIS)と問診してスコアで診断するやつ(勉強不足で何か分からない)をしました。

結果としてはWAISは大幅な能力の凹凸はないけど、物語を組み立てるのが苦手だから「先を見通すのが苦手」な傾向など

スコアが基準にギリギリ当てはまってるのと、受け答えの時の表情が乏しいことなどから、ギリギリASDとの診断でした。

ここまで読んでもらった方からしたら、「なんだよギリギリかよ」って思うかもしれませんが、グレーゾーンか先生に聞いたらグレーじゃなくてギリギリだけど診断がつくと言われたので、軽症のASDと思ってもらえたらと思います。

でも、軽いから職場では問題にならないレベルだし、日常生活でも、パートナーにもしかしたら少し冷たい印象を持たれるかもしれないレベルで、困ることはないだろうと。

バリバリ困ってるから受診したのに…

少し食い下がってみたものの、うつ病などの二次障害が出てなければ、受診は不要とのことで、結局それから、どこの精神科にも行けていないし、これといって対策できないまま、今に至るという感じです。



追加すると、

毒親によって愛着障害と言って、発達障害に似たような状態になることがあって、

私の場合母がだいぶ毒親感があるので、もしかしたらそっちの可能性も、あるいは併発してるのかもしれません。