羽鳥さんの手によって一つひとつ作り上げられたハトリーズスペシャル。それ故に同モデルの同色であっても同じ物は一つもない。塗装の加減やサインをじっくり見比べて見ると必ず何処かに違いがあり、それがハンドメイドの魅力の一つであると思っている。


この二つのインナーハンド 。一見すると同じ物が並んでいる。それは間違いではないが、細部を見比べて見ると・・・


まず明らかな違いは目の位置である。右の物に対して左の物は目が少し離れている。僕の手持ちの物も含めて、今まで見てきた物の多くは右の物と同じ位置に目が付いていた。離れ目もそれはそれで何ともいい表情をしており、僕は嫌いじゃない。それにこの双方の違いはコーチドック模様にも見られる。同じテンプレートを用いてると思われるが、若干のボディーシェイプの違いよるものなのか、ボディーへの密着具合の違いなのかは分からないが、比較すると明らかな違いがある。それにもう一つ、カラーの濃淡がはっきり違う。ベースのオリーブカラーが左の物に比べて右の物はイエローに近く、模様も随分薄めのオリーブカラーとなっている。

それともう一つ、決定的に違う箇所がある。


サインの位置である。使われたサインペンらしき物は同じであるが、模様上に書かれた物と模様の間に書かれた物の違い。これはどちらの方が多いとは言えないが、大体この辺りに書かれてといった感じである。

エアブラシを用いてベースを吹いてパターンを仕上げて手書きでサインを入れる。手作業である以上、寸分狂わず同じ物を作る事は不可能であり、それが個性として表れ、唯一無二の魅力となっている。