そして火曜日
美結『今日はあおいと会える日…!』
美結はドキドキしながら学校へ行った
AM8:10
学校に着き、教室に入ると
葵はまだ来ていなかった
美結『(はぁ…なんだか変な緊張…///)』
美結は葵をドキドキしながら待っていた
2分後…
「あおい様だ!」
「あおい様!!」
「キャー!あおい様~♥♥」
女子達が歓声を上げ一気に注目した先には葵がいた
美結『…あっ』
美結は思わず小さな声をあげた
そしていつものように女子達に
見つめられながら席へと歩いてきた
葵「おはよう…^^」
女子達に優しい微笑みを浮かべる
その姿は、まるで白馬に乗った王子様のよう。
こんな日は毎度のことであった
そして葵が美結の隣の席に来た時
美結は思わず照れて机に伏せた
美結『…っ///』
葵「……」
美結『…』
葵は黙々とカバンから荷物を出した
美結『…(あれ?あおい、何も言ってこない…
あいさつすらしてこない…なんで…?)』
葵「…」
美結『…』
葵「はぁ…」
美結『…!』
葵は密かに溜め息をついた
なんだか落ち込んでいるようにも見えた
美結『(…なんだか今日は元気ないな…)』
結局、授業が始まっても美結と葵はお互い口を開かなかった。
美結『(…おかしい…絶対おかしい…こっちを見向きもしない…)』
美結は次第に不安を覚えてきた
そして休憩時間、
女子達は葵のところに来た
女子①「ねぇねぇ!あおい様!前のテスト何点だった?」
葵「んー…確か96点だったと…」
女子達「すご~い!!」
一気に歓声が上がった
葵「そんなことないよ…^^;」
女子②「流石あおい様!素敵…///」
女子①「あおい様はなんでもできるもんね!」
女子③「そうそう!あおい様にできないことはなさそう!」
葵「あはは…^^;できないことだってあるよ~…」
美結『…(あるんだ…まあ、そりゃそうか…)』
女子④「あおい様は本当に素敵…付き合いたいぐらい…///」
女子③「あおい様はうちのものよー!」
女子①「いやいや!あたしのものー!」
女子②「ずーるーい!じゃあ…みんなのもの?(笑」
女子③「みんなのものかぁ♪まぁ、あいつ除いてね」
女子④「あいつって?」
女子③「ほら、隣wwあおいの隣!」
女子達は一気に美結に視線を向けた
美結は気づいてない素振りをした
女子②「あぁー、あいつねwwうん、当たり前www」
女子①「いっつもあおい様の隣だからって良い気になってんじゃねーよ」
女子③「マジそれなwwwいえてるwww」
女子④「ほんっと。あおい様が可哀想」
美結『(っち…ふざけんじゃねえぞクソババアども)』
そして…
PM4:00
とうとう学校が終わっても
美結と葵はお互いに口を開かないままだった
美結『…』
葵「…」
葵がカバンを背負い、帰ろうと席を離れた時
美結は思いきって声をかけた
美結『…よ!』
ポンと葵の肩を叩いてわざとらしく言った
葵「…っ」
葵は一瞬立ち止まった
しかしすぐに黙々と去って行ってしまった
美結『……』
その瞬間をあの女子は見逃さなかった
女子①「あ~おい~様っ♪一緒にか~えろ!」
休憩時間に来た女子達の一人が
葵のところへ駆けつけて行った
葵は優しい笑みを浮かべた
二人で教室を出ていく瞬間
女子は振り向き呆然とこちらを見る美結を
悪意の笑みで見て葵の腕に手を組み
教室を出ていった
美結『…え……』
美結の頭は途端に真っ白になりその場に座り込んだ
周りの人達はこっちを冷ややかな視線で見る人や
引いた表情で見る人、指を指して笑って見ている人がいた
美結『(…あおい…きっと私のこと嫌いになったんだ…
そうなんだよね…
私が日曜日にあおいに恥ずかしい思いさせたせいで
怒ってるんだよね…そりゃそうだよね…
誰だって嫌いになるよね…私、馬鹿だ……
今までさんざんあおいに迷惑かけたりひどいことしたりしても
あおいはいつも許してくれたから…もう限界になったんだ。)』
美結の胸は一気に締め付けられるように苦しくなった
するとそこに二人の女子が近づいてきた
女子①「た~けださん♪」
美結は恐る恐る顔をあげると…
女子①「ドンマイ!あおいに嫌われちゃったね✩」
女子②「可哀想に(笑)」
女子①「あれ?泣きそうなんでちゅか?ww」
女子二人「あはははははははwww(爆笑)」
美結『…っち』
女子①「あ?なんか文句あんの?」
女子②「こわ~い…なんか睨んでる~…こわいよ~w」
美結『…ふざけんな。テメーラはあおい中毒者か』
女子①「は?ww中毒者とかwwwお前に言われたくねーわww」
女子②「あおい中毒者とかwwwマジうけるwww
ふざけてんのはそっちだろwww」
美結『毎回毎回馬鹿にするのもたいがいにしろよクソババアども』
女子①「は?うるせえ糞がいじwwww」
女子②「糞がいじのくせにwww」
美結はついに堪忍袋の尾がキレた
美結『糞がいじはこっちの台詞だよ!!!』
(ボンッ!!)
美結は女子二人を思いっきり押した
その瞬間、教室にいる生徒全員が一気に美結に注目した
女子①「おいおいおいおいwwwやるか?ww」
女子②「おもしれぇじゃねえかww」
美結『お前らどうやら殺されたいみたいだから殺ってやるよ』
女子①「やれるもんならやってみろやwww」
女子②「こいつのことだから口先だけだろwww」
美結『その言葉…一生覚えとけよ…』
そして次の瞬間…
(ボンッ!ドン ガシャン!!)
美結は葵の椅子と机を蹴り倒した
男子①「おいおい、なんだなんだ?ww」
男子②「うーわ!武田がなんか暴れてる!」
女子①「うわ!お前最低wあおいに言ってやろ」
女子②「さいってー、んじゃあ同じこと返してやるわww」
(ボンッ!ドンガシャッ!!!)
女子は美結の机と椅子を思いっきり蹴り倒した
そして大騒音に他のクラスからも大勢集まってきた
美結はもっと怒りがこみ上げて興奮してきた
美結『お前ら全員殺してやるよ…ははは…ははははは!^^』
女子①「糞がいじだこいつwwww」
女子②「キチガイがwwww」
美結『ああああああああああああ!!!!』
(ガシャン!!ドン!!!)
美結は教室中の机と椅子を倒していき
花瓶を生徒達に向かって投げた
(パリン!!!)
女子達「キャーーーーー!!!」
その悲鳴は廊下にまで響き渡った
一方、葵は…
女子「あおい様…今日も寒いね…」
葵「うん、そうだね…」
葵「(なんだかやけに胸騒ぎが…)」
女子「ね…ちょっと来て?」
葵「うん?」
女子は葵を連れてトイレの個室に入った
葵「…どうしたの?」
女子「ねえ…あおい様…。武田のこと好き?」
葵「…ごめんね…それは言えない。」
女子「なんで…?」
葵「どちみちプライベートだから秘密なの…ね?」
女子「あおい様は秘密を守る人なのね…」
女子「じゃあ…あたしと秘密なこと…しない?///」
葵「…」
葵は嫌な予感がした
葵「どんなこと…?」
(ギュッ…)
女子は葵を抱き締め口にキスをした
葵「…っ!」
女子「…あおい様はあたしだけのもの…
だから武田とはもう二度と関わらないで」
女子「あいつよりあたしのほうが愛してるの…
だから、あたしだけを見て…?」
葵「…ごめんなさい、佐藤さん…。気持ちは嬉しい。でも…」
葵「あの人以外、愛せないから。」
女子「…えっ」
葵「ごめんなさいね…」
葵は申し訳ない表情でそう言い
速やかにトイレの個室を出ていった
女子「あ…あおい様…っ……」
女子「(…やっぱり…やっぱりそうだったのね…
そういう関係だったのね…
武田め…あいつ…絶対許さない…)」
(ガッシャン!!!)
女子達「キャーーーー!」
美結『死ね……死ね!!!』
男子③「お前が死ね!」
(ボカッ!!)
男子は美結の頬を殴って足を蹴った
美結『…うぐっ!』
美結『…やってくれんな…殺してやる…!!』
美結は最終手段でポケットからカッターナイフを取り出した
(ギギギギギ…)
女子①「うわ!犯罪者!」
女子②「警察に通報されろwww」
男子①「うわー!ww」
美結『ああああああああ!!!!』
美結はカッターナイフを持って
生徒達のところへ走っていった
女子達「キャーーーー!!!」
男子②「こーこまでおーいで!ww」
無関係の女子達まで追いかけられ
恐怖で必死に逃げていた
美結『うおおおおおおおお!!!』
女子「…っ!!」
そして次の瞬間…
(プシャッ!!)
辺りに血が吹き飛んだ
女子達「キャーーーー!!」
女子「いやああああああ!!」
女子一人の腕がカッターナイフの刃に切られてしまった
美結『…っ』
女子「りなちゃん!大丈夫?!」
女子「りなちゃん!!」
女子「うっ…う…」
彼女の腕の傷痕から大量に出血していた
女子②「謝れや!」
女子①「うわー!最低!」
女子③「りなちゃん可哀想…」
美結『…』
女子④「先生に言ってやろーよ!」
女子②「先生呼びにいこ!」
女子二人は走って教室を出た
美結『…お、俺は知らねぇかんな!!』
美結は急いで逃げ出そうとしたが…
男子②「おい逃げんなや!」
女子①「とっとと謝罪しろや!」
女子達は美結の腕を引っ張り捕まえた
男子達は廊下に出れないように教室のドアを閉めた
美結『…ぐっ…離せ!離せ!!』
(サッ)
女子は美結のカッターナイフを奪い取った
女子①「これでお前にも同じことしてやろうか?おい」
美結『やめろ!!』
するとそこに…
(ドンドン)
女子二人が先生達を連れて教室に来た
(ガララ)
美結『…っ!』
担任「はいはい、とりあえず落ち着け」
先生①「で、話を聞いたところ。武田さんが大澤さんの
腕をカッターナイフで切った?」
美結『…でも、悪気はないんです!』
生徒一部「嘘つけ!」
女子②「殺してやるとか死ねとかさんざん言ってたくせに」
女子③「本当!認めろや!!」
先生①「はいはいはい。落ちついて」
担任「殺してやる、とか死ねって言ったのは
事実ですか?武田さん」
美結『…はい。』
先生①「先生、とりあえず大澤さんを保健室へ連れていった方が…」
担任「ああ、そうだな」
保健室の先生「それじゃあ…大澤さん、行こうか」
保健室の先生はその女子と共に教室を出ていった
先生①「…武田さん、別室で詳しく聞かせてもらえるかな?」
美結『…』
その後、美結は先生と話し合いをした
PM5:10
ようやく話し合いが終わり、
美結は精神も体もヘトヘト状態で学校を出た
美結『(はぁ…疲れた…。おかげで帰る時間が遅くなったよ…
そもそも、日曜日にあおいとあんなことしなかったら
こんなことにはなってなかった…人生って運命だね。
結局、話し合いの結果はお互い様ってことになったけど
大体相手が一方的に悪いのに…これっていじめじゃないの?
いくら嫉妬してるからってそこまで言わなくても…
いじめられる期間が長くても少しでも暴れたらお互い様。
……本当不公平な人生よね。)』
美結『はぁ……』
憂鬱な気分で帰ってると…
「みーーゆーーさーーまぁあーー!!♪♪」
美結『…ん?』
遠くから自分を呼ぶ声が…
それも聞き覚えある声…
美結『…気のせいか』
「待ってーーーーー!!!そこのあなただよぉーーー!!!」
美結『…?!』
美結は辺りを見回した
すると…
美結「あ!!」
数十メートル先の信号付近で
なんと、あの『みかん』がこちらに手を振っていた
美結『…み、みかん?!』
そして信号が青になって、みかんがこちらへ走って渡ってきた
みかん「みゆさまぁーー♪♪」
(ズルッ!)
みかん「わひゃぁ!!」
(バタッ!!)
道路の真ん中ですってんころりん。
美結『はぁ…相変わらずドジな奴だなぁ…(苦笑』
みかん「みゆさま!おひさしぶり!!
…じゃなくて、みゆ先輩!おひさしぶりです♪」
最後にみかんを見たのはランドセルを背負ってたあの頃…
前までまだ小学生だったのに、もう中学生になったのだ
美結『久しぶり!敬語使わなくてもいいよ(笑』
みかん「いいの?わかったぁ!」
美結『お前…大きくなったなぁ…』
みかん「ほんと?!嬉しい♪身長伸びたぁ!」
美結『いや、横だよ横w』
みかん「え…ひどいよぉ…(涙」
美結『ははっ、冗談だよ冗談』
美結『いやーでも本当に大人っぽくなってるよ?』
みかん「えへへ…みゆさまも凛々しくなってる///」
美結『そうか?そう言われると嬉しいな…///』
みかん「あれれぇ?もしかして照れてる?♪」
美結『て、照れてない!///そして顔近い!』
みかん「あはっ✩てへぺろりーたぁー♥」
美結『懐かしいwwまだ続いてたのか!てへぺろりーたー』
みかん「あったり前田のクラッカー✩」
美結『シャナかよ(笑』
みかん「シャナちゃん懐かし~い!元気にしてるかなぁ~」
美結『ああ、してるよ』
みかん「よかったぁ♪やまとくんもはるかちゃんも
ちいちゃんもゆっちちゃんも!元気かなぁ~♪」
美結『あれからもう2年か…解散してから全然会ってないな…』
みかん「そうなの?!解散しちゃったからやっぱり
もうお別れなのね…悲しい…でもみゆさまだけにでも
会えて、嬉しい…幸せ(*´ ∀`*)」
美結『ああ、私も嬉しいよ^^すごい偶然だね!』
みかん「うん!!これから毎日一緒にかえろー♪」
美結『いいね!そうしようか!』
みかん「あ!あとね!みかん、スマホ買ってもらったの~!」
美結『おお~よかったね!』
みかん「LINEやってる?」
美結『一応やってるよ!』
みかん「じゃあLINEのお友達なろ~♪」
美結『いいよ!』
[『♥みかん♥』と『みゆ』が友達になりました]
みかん「わはぁあああああい!!」
美結『これでいつでも連絡とれるね!』
みかん「うん!スタ爆してやるー!」
美結『やめなさい(笑』
みかん「てへぺろりーたー✩」
みかん「…あーーー!今日5:10から塾だったぁーーー!」
美結『塾通い始めたのか!』
みかん「そう!冷やし中華始めたの!!急がなきゃ!」
美結『冷やし中華…w古いないつのネタだよ…』
みかん「そ、そ、それじゃあ今夜LINEで会おうねー!」
美結『OK!そんじゃ、またね!』
みかん「冷やし中~華ぁ!はぁーじぃーめましたぁ~~!!」
みかんは甲高い大声で歌いながら猛ダッシュで去っていった
(ズルッ!バタッ!)
みかん「いったぁあああい!!」
美結『おいおい…落ち着け…』
―PM8:40―
お風呂、夜ご飯を済ませて
美結は布団にもぐった
美結『さーてと…』
さっそくスマホでLINEを起動すると…
美結『うわ!さっそくスタ爆きてるし』
[みゆ:お前…(^_^;)]
[みかん:てへぺろりーたー✩]
美結『いや、既読早いなおい!一瞬じゃねえか!』
[みかん:ねぇねぇ!電話しよ♪]
[みゆ:いいけど、なんで?]
[みかん:声が聴きたい♥]
美結『マジかよ』
[みゆ:いいよ~]
(♪~♬~♪)
[♥みかん♥からの着信です]
美結『だからはえーよ!』
(ピッ)
美結『もしもーし』
みかん「…えへへ///なんだか…ドキドキしちゃうね♥」
美結『なんで?』
みかん「夜にこうやって…お話するの初めてだから…///」
美結『ああ、そうだな』
みかん「…ねぇ、みゆさまって恋人できた?」
美結『……うーん…いない…かな…?』
みかん「へぇ~♪好きな子は?」
美結『いないよ』
みかん「へぇ~~~?♥」
美結『みかんは?』
みかん「えっとぉ…」
みかん「知りたい?♥」
美結『うん!』
みかん「明日、教えてあげる♪」
美結『えーーーー!』
みかん「みゆさま…明日楽しみにしててね…♪」
美結『わかった!首を長くして待ってるよ!』
みかん「みゆさま愛してる…///」
みかんは小さな声でそう囁いた
美結『ん?なんてー?』
みかん「ううん!なんでも~?♪」
美結『そうか』
美結には本当に聞こえなかったようだ
みかん「みゆさま!しりとりしよ!」
美結『えっ、いきなり?!まぁ、いいよ!』
みかん「ちりとり!」
美結『そこちりとりなんだ(笑) りんご』
みかん「ゴキブリホイホイ!」
美結『磯巾着』
みかん「ク…クリトリス!」
美結『おいやめろ!お前そういう趣味だったのかよ』
みかん「えぇ?なんでぇ?今みかん、栗とリスって言ったんだよぉ~?」
美結『はい嘘乙ー、そういうのいいよwww』
みかん「もぉ~照れてるくせにぃ~!素直になりなよぉ!」
美結『…お前…エッロ。』
みかん「みゆさま…エロいこと好きなんでしょぉ…?」
美結『なあ、みかん…そういう話やめようぜ?』
みかん「ねぇ~正直になってよぉ…みかんも好きだからさぁ…?」
美結『…ばいばい!』
みかん「あ!待って!明日スマイル公園に学校終わったら集合ねぇ!」
(ブチッ)
みかん「あ、切れちゃた…」
-次の日-
AM8:40
今日は遅めに学校に来た美結
昨日の今日は流石に気まずかったのだ
美結『…』
美結は人目を気にして身をひそめながら保健室へ行った
保健室の先生「あら、どうしたの?」
美結『もう教室に行きたくないです…』
終
美結『今日はあおいと会える日…!』
美結はドキドキしながら学校へ行った
AM8:10
学校に着き、教室に入ると
葵はまだ来ていなかった
美結『(はぁ…なんだか変な緊張…///)』
美結は葵をドキドキしながら待っていた
2分後…
「あおい様だ!」
「あおい様!!」
「キャー!あおい様~♥♥」
女子達が歓声を上げ一気に注目した先には葵がいた
美結『…あっ』
美結は思わず小さな声をあげた
そしていつものように女子達に
見つめられながら席へと歩いてきた
葵「おはよう…^^」
女子達に優しい微笑みを浮かべる
その姿は、まるで白馬に乗った王子様のよう。
こんな日は毎度のことであった
そして葵が美結の隣の席に来た時
美結は思わず照れて机に伏せた
美結『…っ///』
葵「……」
美結『…』
葵は黙々とカバンから荷物を出した
美結『…(あれ?あおい、何も言ってこない…
あいさつすらしてこない…なんで…?)』
葵「…」
美結『…』
葵「はぁ…」
美結『…!』
葵は密かに溜め息をついた
なんだか落ち込んでいるようにも見えた
美結『(…なんだか今日は元気ないな…)』
結局、授業が始まっても美結と葵はお互い口を開かなかった。
美結『(…おかしい…絶対おかしい…こっちを見向きもしない…)』
美結は次第に不安を覚えてきた
そして休憩時間、
女子達は葵のところに来た
女子①「ねぇねぇ!あおい様!前のテスト何点だった?」
葵「んー…確か96点だったと…」
女子達「すご~い!!」
一気に歓声が上がった
葵「そんなことないよ…^^;」
女子②「流石あおい様!素敵…///」
女子①「あおい様はなんでもできるもんね!」
女子③「そうそう!あおい様にできないことはなさそう!」
葵「あはは…^^;できないことだってあるよ~…」
美結『…(あるんだ…まあ、そりゃそうか…)』
女子④「あおい様は本当に素敵…付き合いたいぐらい…///」
女子③「あおい様はうちのものよー!」
女子①「いやいや!あたしのものー!」
女子②「ずーるーい!じゃあ…みんなのもの?(笑」
女子③「みんなのものかぁ♪まぁ、あいつ除いてね」
女子④「あいつって?」
女子③「ほら、隣wwあおいの隣!」
女子達は一気に美結に視線を向けた
美結は気づいてない素振りをした
女子②「あぁー、あいつねwwうん、当たり前www」
女子①「いっつもあおい様の隣だからって良い気になってんじゃねーよ」
女子③「マジそれなwwwいえてるwww」
女子④「ほんっと。あおい様が可哀想」
美結『(っち…ふざけんじゃねえぞクソババアども)』
そして…
PM4:00
とうとう学校が終わっても
美結と葵はお互いに口を開かないままだった
美結『…』
葵「…」
葵がカバンを背負い、帰ろうと席を離れた時
美結は思いきって声をかけた
美結『…よ!』
ポンと葵の肩を叩いてわざとらしく言った
葵「…っ」
葵は一瞬立ち止まった
しかしすぐに黙々と去って行ってしまった
美結『……』
その瞬間をあの女子は見逃さなかった
女子①「あ~おい~様っ♪一緒にか~えろ!」
休憩時間に来た女子達の一人が
葵のところへ駆けつけて行った
葵は優しい笑みを浮かべた
二人で教室を出ていく瞬間
女子は振り向き呆然とこちらを見る美結を
悪意の笑みで見て葵の腕に手を組み
教室を出ていった
美結『…え……』
美結の頭は途端に真っ白になりその場に座り込んだ
周りの人達はこっちを冷ややかな視線で見る人や
引いた表情で見る人、指を指して笑って見ている人がいた
美結『(…あおい…きっと私のこと嫌いになったんだ…
そうなんだよね…
私が日曜日にあおいに恥ずかしい思いさせたせいで
怒ってるんだよね…そりゃそうだよね…
誰だって嫌いになるよね…私、馬鹿だ……
今までさんざんあおいに迷惑かけたりひどいことしたりしても
あおいはいつも許してくれたから…もう限界になったんだ。)』
美結の胸は一気に締め付けられるように苦しくなった
するとそこに二人の女子が近づいてきた
女子①「た~けださん♪」
美結は恐る恐る顔をあげると…
女子①「ドンマイ!あおいに嫌われちゃったね✩」
女子②「可哀想に(笑)」
女子①「あれ?泣きそうなんでちゅか?ww」
女子二人「あはははははははwww(爆笑)」
美結『…っち』
女子①「あ?なんか文句あんの?」
女子②「こわ~い…なんか睨んでる~…こわいよ~w」
美結『…ふざけんな。テメーラはあおい中毒者か』
女子①「は?ww中毒者とかwwwお前に言われたくねーわww」
女子②「あおい中毒者とかwwwマジうけるwww
ふざけてんのはそっちだろwww」
美結『毎回毎回馬鹿にするのもたいがいにしろよクソババアども』
女子①「は?うるせえ糞がいじwwww」
女子②「糞がいじのくせにwww」
美結はついに堪忍袋の尾がキレた
美結『糞がいじはこっちの台詞だよ!!!』
(ボンッ!!)
美結は女子二人を思いっきり押した
その瞬間、教室にいる生徒全員が一気に美結に注目した
女子①「おいおいおいおいwwwやるか?ww」
女子②「おもしれぇじゃねえかww」
美結『お前らどうやら殺されたいみたいだから殺ってやるよ』
女子①「やれるもんならやってみろやwww」
女子②「こいつのことだから口先だけだろwww」
美結『その言葉…一生覚えとけよ…』
そして次の瞬間…
(ボンッ!ドン ガシャン!!)
美結は葵の椅子と机を蹴り倒した
男子①「おいおい、なんだなんだ?ww」
男子②「うーわ!武田がなんか暴れてる!」
女子①「うわ!お前最低wあおいに言ってやろ」
女子②「さいってー、んじゃあ同じこと返してやるわww」
(ボンッ!ドンガシャッ!!!)
女子は美結の机と椅子を思いっきり蹴り倒した
そして大騒音に他のクラスからも大勢集まってきた
美結はもっと怒りがこみ上げて興奮してきた
美結『お前ら全員殺してやるよ…ははは…ははははは!^^』
女子①「糞がいじだこいつwwww」
女子②「キチガイがwwww」
美結『ああああああああああああ!!!!』
(ガシャン!!ドン!!!)
美結は教室中の机と椅子を倒していき
花瓶を生徒達に向かって投げた
(パリン!!!)
女子達「キャーーーーー!!!」
その悲鳴は廊下にまで響き渡った
一方、葵は…
女子「あおい様…今日も寒いね…」
葵「うん、そうだね…」
葵「(なんだかやけに胸騒ぎが…)」
女子「ね…ちょっと来て?」
葵「うん?」
女子は葵を連れてトイレの個室に入った
葵「…どうしたの?」
女子「ねえ…あおい様…。武田のこと好き?」
葵「…ごめんね…それは言えない。」
女子「なんで…?」
葵「どちみちプライベートだから秘密なの…ね?」
女子「あおい様は秘密を守る人なのね…」
女子「じゃあ…あたしと秘密なこと…しない?///」
葵「…」
葵は嫌な予感がした
葵「どんなこと…?」
(ギュッ…)
女子は葵を抱き締め口にキスをした
葵「…っ!」
女子「…あおい様はあたしだけのもの…
だから武田とはもう二度と関わらないで」
女子「あいつよりあたしのほうが愛してるの…
だから、あたしだけを見て…?」
葵「…ごめんなさい、佐藤さん…。気持ちは嬉しい。でも…」
葵「あの人以外、愛せないから。」
女子「…えっ」
葵「ごめんなさいね…」
葵は申し訳ない表情でそう言い
速やかにトイレの個室を出ていった
女子「あ…あおい様…っ……」
女子「(…やっぱり…やっぱりそうだったのね…
そういう関係だったのね…
武田め…あいつ…絶対許さない…)」
(ガッシャン!!!)
女子達「キャーーーー!」
美結『死ね……死ね!!!』
男子③「お前が死ね!」
(ボカッ!!)
男子は美結の頬を殴って足を蹴った
美結『…うぐっ!』
美結『…やってくれんな…殺してやる…!!』
美結は最終手段でポケットからカッターナイフを取り出した
(ギギギギギ…)
女子①「うわ!犯罪者!」
女子②「警察に通報されろwww」
男子①「うわー!ww」
美結『ああああああああ!!!!』
美結はカッターナイフを持って
生徒達のところへ走っていった
女子達「キャーーーー!!!」
男子②「こーこまでおーいで!ww」
無関係の女子達まで追いかけられ
恐怖で必死に逃げていた
美結『うおおおおおおおお!!!』
女子「…っ!!」
そして次の瞬間…
(プシャッ!!)
辺りに血が吹き飛んだ
女子達「キャーーーー!!」
女子「いやああああああ!!」
女子一人の腕がカッターナイフの刃に切られてしまった
美結『…っ』
女子「りなちゃん!大丈夫?!」
女子「りなちゃん!!」
女子「うっ…う…」
彼女の腕の傷痕から大量に出血していた
女子②「謝れや!」
女子①「うわー!最低!」
女子③「りなちゃん可哀想…」
美結『…』
女子④「先生に言ってやろーよ!」
女子②「先生呼びにいこ!」
女子二人は走って教室を出た
美結『…お、俺は知らねぇかんな!!』
美結は急いで逃げ出そうとしたが…
男子②「おい逃げんなや!」
女子①「とっとと謝罪しろや!」
女子達は美結の腕を引っ張り捕まえた
男子達は廊下に出れないように教室のドアを閉めた
美結『…ぐっ…離せ!離せ!!』
(サッ)
女子は美結のカッターナイフを奪い取った
女子①「これでお前にも同じことしてやろうか?おい」
美結『やめろ!!』
するとそこに…
(ドンドン)
女子二人が先生達を連れて教室に来た
(ガララ)
美結『…っ!』
担任「はいはい、とりあえず落ち着け」
先生①「で、話を聞いたところ。武田さんが大澤さんの
腕をカッターナイフで切った?」
美結『…でも、悪気はないんです!』
生徒一部「嘘つけ!」
女子②「殺してやるとか死ねとかさんざん言ってたくせに」
女子③「本当!認めろや!!」
先生①「はいはいはい。落ちついて」
担任「殺してやる、とか死ねって言ったのは
事実ですか?武田さん」
美結『…はい。』
先生①「先生、とりあえず大澤さんを保健室へ連れていった方が…」
担任「ああ、そうだな」
保健室の先生「それじゃあ…大澤さん、行こうか」
保健室の先生はその女子と共に教室を出ていった
先生①「…武田さん、別室で詳しく聞かせてもらえるかな?」
美結『…』
その後、美結は先生と話し合いをした
PM5:10
ようやく話し合いが終わり、
美結は精神も体もヘトヘト状態で学校を出た
美結『(はぁ…疲れた…。おかげで帰る時間が遅くなったよ…
そもそも、日曜日にあおいとあんなことしなかったら
こんなことにはなってなかった…人生って運命だね。
結局、話し合いの結果はお互い様ってことになったけど
大体相手が一方的に悪いのに…これっていじめじゃないの?
いくら嫉妬してるからってそこまで言わなくても…
いじめられる期間が長くても少しでも暴れたらお互い様。
……本当不公平な人生よね。)』
美結『はぁ……』
憂鬱な気分で帰ってると…
「みーーゆーーさーーまぁあーー!!♪♪」
美結『…ん?』
遠くから自分を呼ぶ声が…
それも聞き覚えある声…
美結『…気のせいか』
「待ってーーーーー!!!そこのあなただよぉーーー!!!」
美結『…?!』
美結は辺りを見回した
すると…
美結「あ!!」
数十メートル先の信号付近で
なんと、あの『みかん』がこちらに手を振っていた
美結『…み、みかん?!』
そして信号が青になって、みかんがこちらへ走って渡ってきた
みかん「みゆさまぁーー♪♪」
(ズルッ!)
みかん「わひゃぁ!!」
(バタッ!!)
道路の真ん中ですってんころりん。
美結『はぁ…相変わらずドジな奴だなぁ…(苦笑』
みかん「みゆさま!おひさしぶり!!
…じゃなくて、みゆ先輩!おひさしぶりです♪」
最後にみかんを見たのはランドセルを背負ってたあの頃…
前までまだ小学生だったのに、もう中学生になったのだ
美結『久しぶり!敬語使わなくてもいいよ(笑』
みかん「いいの?わかったぁ!」
美結『お前…大きくなったなぁ…』
みかん「ほんと?!嬉しい♪身長伸びたぁ!」
美結『いや、横だよ横w』
みかん「え…ひどいよぉ…(涙」
美結『ははっ、冗談だよ冗談』
美結『いやーでも本当に大人っぽくなってるよ?』
みかん「えへへ…みゆさまも凛々しくなってる///」
美結『そうか?そう言われると嬉しいな…///』
みかん「あれれぇ?もしかして照れてる?♪」
美結『て、照れてない!///そして顔近い!』
みかん「あはっ✩てへぺろりーたぁー♥」
美結『懐かしいwwまだ続いてたのか!てへぺろりーたー』
みかん「あったり前田のクラッカー✩」
美結『シャナかよ(笑』
みかん「シャナちゃん懐かし~い!元気にしてるかなぁ~」
美結『ああ、してるよ』
みかん「よかったぁ♪やまとくんもはるかちゃんも
ちいちゃんもゆっちちゃんも!元気かなぁ~♪」
美結『あれからもう2年か…解散してから全然会ってないな…』
みかん「そうなの?!解散しちゃったからやっぱり
もうお別れなのね…悲しい…でもみゆさまだけにでも
会えて、嬉しい…幸せ(*´ ∀`*)」
美結『ああ、私も嬉しいよ^^すごい偶然だね!』
みかん「うん!!これから毎日一緒にかえろー♪」
美結『いいね!そうしようか!』
みかん「あ!あとね!みかん、スマホ買ってもらったの~!」
美結『おお~よかったね!』
みかん「LINEやってる?」
美結『一応やってるよ!』
みかん「じゃあLINEのお友達なろ~♪」
美結『いいよ!』
[『♥みかん♥』と『みゆ』が友達になりました]
みかん「わはぁあああああい!!」
美結『これでいつでも連絡とれるね!』
みかん「うん!スタ爆してやるー!」
美結『やめなさい(笑』
みかん「てへぺろりーたー✩」
みかん「…あーーー!今日5:10から塾だったぁーーー!」
美結『塾通い始めたのか!』
みかん「そう!冷やし中華始めたの!!急がなきゃ!」
美結『冷やし中華…w古いないつのネタだよ…』
みかん「そ、そ、それじゃあ今夜LINEで会おうねー!」
美結『OK!そんじゃ、またね!』
みかん「冷やし中~華ぁ!はぁーじぃーめましたぁ~~!!」
みかんは甲高い大声で歌いながら猛ダッシュで去っていった
(ズルッ!バタッ!)
みかん「いったぁあああい!!」
美結『おいおい…落ち着け…』
―PM8:40―
お風呂、夜ご飯を済ませて
美結は布団にもぐった
美結『さーてと…』
さっそくスマホでLINEを起動すると…
美結『うわ!さっそくスタ爆きてるし』
[みゆ:お前…(^_^;)]
[みかん:てへぺろりーたー✩]
美結『いや、既読早いなおい!一瞬じゃねえか!』
[みかん:ねぇねぇ!電話しよ♪]
[みゆ:いいけど、なんで?]
[みかん:声が聴きたい♥]
美結『マジかよ』
[みゆ:いいよ~]
(♪~♬~♪)
[♥みかん♥からの着信です]
美結『だからはえーよ!』
(ピッ)
美結『もしもーし』
みかん「…えへへ///なんだか…ドキドキしちゃうね♥」
美結『なんで?』
みかん「夜にこうやって…お話するの初めてだから…///」
美結『ああ、そうだな』
みかん「…ねぇ、みゆさまって恋人できた?」
美結『……うーん…いない…かな…?』
みかん「へぇ~♪好きな子は?」
美結『いないよ』
みかん「へぇ~~~?♥」
美結『みかんは?』
みかん「えっとぉ…」
みかん「知りたい?♥」
美結『うん!』
みかん「明日、教えてあげる♪」
美結『えーーーー!』
みかん「みゆさま…明日楽しみにしててね…♪」
美結『わかった!首を長くして待ってるよ!』
みかん「みゆさま愛してる…///」
みかんは小さな声でそう囁いた
美結『ん?なんてー?』
みかん「ううん!なんでも~?♪」
美結『そうか』
美結には本当に聞こえなかったようだ
みかん「みゆさま!しりとりしよ!」
美結『えっ、いきなり?!まぁ、いいよ!』
みかん「ちりとり!」
美結『そこちりとりなんだ(笑) りんご』
みかん「ゴキブリホイホイ!」
美結『磯巾着』
みかん「ク…クリトリス!」
美結『おいやめろ!お前そういう趣味だったのかよ』
みかん「えぇ?なんでぇ?今みかん、栗とリスって言ったんだよぉ~?」
美結『はい嘘乙ー、そういうのいいよwww』
みかん「もぉ~照れてるくせにぃ~!素直になりなよぉ!」
美結『…お前…エッロ。』
みかん「みゆさま…エロいこと好きなんでしょぉ…?」
美結『なあ、みかん…そういう話やめようぜ?』
みかん「ねぇ~正直になってよぉ…みかんも好きだからさぁ…?」
美結『…ばいばい!』
みかん「あ!待って!明日スマイル公園に学校終わったら集合ねぇ!」
(ブチッ)
みかん「あ、切れちゃた…」
-次の日-
AM8:40
今日は遅めに学校に来た美結
昨日の今日は流石に気まずかったのだ
美結『…』
美結は人目を気にして身をひそめながら保健室へ行った
保健室の先生「あら、どうしたの?」
美結『もう教室に行きたくないです…』
終