そして火曜日

美結『今日はあおいと会える日…!』

美結はドキドキしながら学校へ行った


AM8:10

学校に着き、教室に入ると
葵はまだ来ていなかった

美結『(はぁ…なんだか変な緊張…///)』

美結は葵をドキドキしながら待っていた

2分後…

「あおい様だ!」

「あおい様!!」

「キャー!あおい様~♥♥」

女子達が歓声を上げ一気に注目した先には葵がいた

美結『…あっ』

美結は思わず小さな声をあげた
そしていつものように女子達に
見つめられながら席へと歩いてきた

葵「おはよう…^^」

女子達に優しい微笑みを浮かべる
その姿は、まるで白馬に乗った王子様のよう。
こんな日は毎度のことであった

そして葵が美結の隣の席に来た時
美結は思わず照れて机に伏せた

美結『…っ///』

葵「……」

美結『…』

葵は黙々とカバンから荷物を出した

美結『…(あれ?あおい、何も言ってこない…
あいさつすらしてこない…なんで…?)』

葵「…」

美結『…』

葵「はぁ…」

美結『…!』

葵は密かに溜め息をついた
なんだか落ち込んでいるようにも見えた

美結『(…なんだか今日は元気ないな…)』

結局、授業が始まっても美結と葵はお互い口を開かなかった。

美結『(…おかしい…絶対おかしい…こっちを見向きもしない…)』

美結は次第に不安を覚えてきた

そして休憩時間、
女子達は葵のところに来た

女子①「ねぇねぇ!あおい様!前のテスト何点だった?」

葵「んー…確か96点だったと…」

女子達「すご~い!!」

一気に歓声が上がった

葵「そんなことないよ…^^;」

女子②「流石あおい様!素敵…///」

女子①「あおい様はなんでもできるもんね!」

女子③「そうそう!あおい様にできないことはなさそう!」

葵「あはは…^^;できないことだってあるよ~…」

美結『…(あるんだ…まあ、そりゃそうか…)』

女子④「あおい様は本当に素敵…付き合いたいぐらい…///」

女子③「あおい様はうちのものよー!」

女子①「いやいや!あたしのものー!」

女子②「ずーるーい!じゃあ…みんなのもの?(笑」

女子③「みんなのものかぁ♪まぁ、あいつ除いてね」

女子④「あいつって?」

女子③「ほら、隣wwあおいの隣!」

女子達は一気に美結に視線を向けた
美結は気づいてない素振りをした

女子②「あぁー、あいつねwwうん、当たり前www」

女子①「いっつもあおい様の隣だからって良い気になってんじゃねーよ」

女子③「マジそれなwwwいえてるwww」

女子④「ほんっと。あおい様が可哀想」

美結『(っち…ふざけんじゃねえぞクソババアども)』


そして…


PM4:00

とうとう学校が終わっても
美結と葵はお互いに口を開かないままだった

美結『…』

葵「…」

葵がカバンを背負い、帰ろうと席を離れた時
美結は思いきって声をかけた

美結『…よ!』

ポンと葵の肩を叩いてわざとらしく言った

葵「…っ」

葵は一瞬立ち止まった

しかしすぐに黙々と去って行ってしまった

美結『……』

その瞬間をあの女子は見逃さなかった

女子①「あ~おい~様っ♪一緒にか~えろ!」

休憩時間に来た女子達の一人が
葵のところへ駆けつけて行った
葵は優しい笑みを浮かべた
二人で教室を出ていく瞬間
女子は振り向き呆然とこちらを見る美結を
悪意の笑みで見て葵の腕に手を組み
教室を出ていった

美結『…え……』

美結の頭は途端に真っ白になりその場に座り込んだ
周りの人達はこっちを冷ややかな視線で見る人や
引いた表情で見る人、指を指して笑って見ている人がいた

美結『(…あおい…きっと私のこと嫌いになったんだ…
          そうなんだよね…
          私が日曜日にあおいに恥ずかしい思いさせたせいで
          怒ってるんだよね…そりゃそうだよね…
          誰だって嫌いになるよね…私、馬鹿だ……
          今までさんざんあおいに迷惑かけたりひどいことしたりしても
          あおいはいつも許してくれたから…もう限界になったんだ。)』

美結の胸は一気に締め付けられるように苦しくなった
するとそこに二人の女子が近づいてきた

女子①「た~けださん♪」

美結は恐る恐る顔をあげると…

女子①「ドンマイ!あおいに嫌われちゃったね✩」

女子②「可哀想に(笑)」

女子①「あれ?泣きそうなんでちゅか?ww」

女子二人「あはははははははwww(爆笑)」

美結『…っち』

女子①「あ?なんか文句あんの?」

女子②「こわ~い…なんか睨んでる~…こわいよ~w」

美結『…ふざけんな。テメーラはあおい中毒者か』

女子①「は?ww中毒者とかwwwお前に言われたくねーわww」

女子②「あおい中毒者とかwwwマジうけるwww
              ふざけてんのはそっちだろwww」

美結『毎回毎回馬鹿にするのもたいがいにしろよクソババアども』

女子①「は?うるせえ糞がいじwwww」

女子②「糞がいじのくせにwww」

美結はついに堪忍袋の尾がキレた

美結『糞がいじはこっちの台詞だよ!!!』

(ボンッ!!)

美結は女子二人を思いっきり押した
その瞬間、教室にいる生徒全員が一気に美結に注目した

女子①「おいおいおいおいwwwやるか?ww」

女子②「おもしれぇじゃねえかww」

美結『お前らどうやら殺されたいみたいだから殺ってやるよ』

女子①「やれるもんならやってみろやwww」

女子②「こいつのことだから口先だけだろwww」

美結『その言葉…一生覚えとけよ…』

そして次の瞬間…

(ボンッ!ドン ガシャン!!)

美結は葵の椅子と机を蹴り倒した

男子①「おいおい、なんだなんだ?ww」

男子②「うーわ!武田がなんか暴れてる!」

女子①「うわ!お前最低wあおいに言ってやろ」

女子②「さいってー、んじゃあ同じこと返してやるわww」

(ボンッ!ドンガシャッ!!!)

女子は美結の机と椅子を思いっきり蹴り倒した

そして大騒音に他のクラスからも大勢集まってきた
美結はもっと怒りがこみ上げて興奮してきた

美結『お前ら全員殺してやるよ…ははは…ははははは!^^』

女子①「糞がいじだこいつwwww」

女子②「キチガイがwwww」

美結『ああああああああああああ!!!!』

(ガシャン!!ドン!!!)

美結は教室中の机と椅子を倒していき
花瓶を生徒達に向かって投げた

(パリン!!!)

女子達「キャーーーーー!!!」

その悲鳴は廊下にまで響き渡った

一方、葵は…

女子「あおい様…今日も寒いね…」

葵「うん、そうだね…」

葵「(なんだかやけに胸騒ぎが…)」

女子「ね…ちょっと来て?」

葵「うん?」

女子は葵を連れてトイレの個室に入った

葵「…どうしたの?」

女子「ねえ…あおい様…。武田のこと好き?」

葵「…ごめんね…それは言えない。」

女子「なんで…?」

葵「どちみちプライベートだから秘密なの…ね?」

女子「あおい様は秘密を守る人なのね…」

女子「じゃあ…あたしと秘密なこと…しない?///」

葵「…」

葵は嫌な予感がした

葵「どんなこと…?」

(ギュッ…)

女子は葵を抱き締め口にキスをした

葵「…っ!」

女子「…あおい様はあたしだけのもの…
         だから武田とはもう二度と関わらないで」

女子「あいつよりあたしのほうが愛してるの…
           だから、あたしだけを見て…?」

葵「…ごめんなさい、佐藤さん…。気持ちは嬉しい。でも…」

葵「あの人以外、愛せないから。」

女子「…えっ」

葵「ごめんなさいね…」

葵は申し訳ない表情でそう言い
速やかにトイレの個室を出ていった

女子「あ…あおい様…っ……」

女子「(…やっぱり…やっぱりそうだったのね…
           そういう関係だったのね…
           武田め…あいつ…絶対許さない…)」


(ガッシャン!!!)

女子達「キャーーーー!」

美結『死ね……死ね!!!』

男子③「お前が死ね!」

(ボカッ!!)

男子は美結の頬を殴って足を蹴った

美結『…うぐっ!』

美結『…やってくれんな…殺してやる…!!』

美結は最終手段でポケットからカッターナイフを取り出した

(ギギギギギ…)

女子①「うわ!犯罪者!」

女子②「警察に通報されろwww」

男子①「うわー!ww」

美結『ああああああああ!!!!』

美結はカッターナイフを持って
生徒達のところへ走っていった

女子達「キャーーーー!!!」

男子②「こーこまでおーいで!ww」

無関係の女子達まで追いかけられ
恐怖で必死に逃げていた

美結『うおおおおおおおお!!!』

女子「…っ!!」

そして次の瞬間…

(プシャッ!!)

辺りに血が吹き飛んだ

女子達「キャーーーー!!」

女子「いやああああああ!!」

女子一人の腕がカッターナイフの刃に切られてしまった

美結『…っ』

女子「りなちゃん!大丈夫?!」

女子「りなちゃん!!」

女子「うっ…う…」

彼女の腕の傷痕から大量に出血していた

女子②「謝れや!」

女子①「うわー!最低!」

女子③「りなちゃん可哀想…」

美結『…』

女子④「先生に言ってやろーよ!」

女子②「先生呼びにいこ!」

女子二人は走って教室を出た

美結『…お、俺は知らねぇかんな!!』

美結は急いで逃げ出そうとしたが…

男子②「おい逃げんなや!」

女子①「とっとと謝罪しろや!」

女子達は美結の腕を引っ張り捕まえた
男子達は廊下に出れないように教室のドアを閉めた

美結『…ぐっ…離せ!離せ!!』

(サッ)

女子は美結のカッターナイフを奪い取った

女子①「これでお前にも同じことしてやろうか?おい」

美結『やめろ!!』

するとそこに…

(ドンドン)

女子二人が先生達を連れて教室に来た

(ガララ)

美結『…っ!』

担任「はいはい、とりあえず落ち着け」

先生①「で、話を聞いたところ。武田さんが大澤さんの
              腕をカッターナイフで切った?」

美結『…でも、悪気はないんです!』

生徒一部「嘘つけ!」

女子②「殺してやるとか死ねとかさんざん言ってたくせに」

女子③「本当!認めろや!!」

先生①「はいはいはい。落ちついて」

担任「殺してやる、とか死ねって言ったのは
          事実ですか?武田さん」

美結『…はい。』

先生①「先生、とりあえず大澤さんを保健室へ連れていった方が…」

担任「ああ、そうだな」

保健室の先生「それじゃあ…大澤さん、行こうか」

保健室の先生はその女子と共に教室を出ていった

先生①「…武田さん、別室で詳しく聞かせてもらえるかな?」

美結『…』

その後、美結は先生と話し合いをした


PM5:10

ようやく話し合いが終わり、
美結は精神も体もヘトヘト状態で学校を出た

美結『(はぁ…疲れた…。おかげで帰る時間が遅くなったよ…
           そもそも、日曜日にあおいとあんなことしなかったら
           こんなことにはなってなかった…人生って運命だね。
           結局、話し合いの結果はお互い様ってことになったけど
           大体相手が一方的に悪いのに…これっていじめじゃないの?
           いくら嫉妬してるからってそこまで言わなくても…
           いじめられる期間が長くても少しでも暴れたらお互い様。
           ……本当不公平な人生よね。)』

美結『はぁ……』

憂鬱な気分で帰ってると…

「みーーゆーーさーーまぁあーー!!♪♪」

美結『…ん?』

遠くから自分を呼ぶ声が…
それも聞き覚えある声…

美結『…気のせいか』

「待ってーーーーー!!!そこのあなただよぉーーー!!!」

美結『…?!』

美結は辺りを見回した
すると…

美結「あ!!」

数十メートル先の信号付近で
なんと、あの『みかん』がこちらに手を振っていた

美結『…み、みかん?!』

そして信号が青になって、みかんがこちらへ走って渡ってきた

みかん「みゆさまぁーー♪♪」

(ズルッ!)

みかん「わひゃぁ!!」

(バタッ!!)

道路の真ん中ですってんころりん。

美結『はぁ…相変わらずドジな奴だなぁ…(苦笑』

みかん「みゆさま!おひさしぶり!!
             …じゃなくて、みゆ先輩!おひさしぶりです♪」

最後にみかんを見たのはランドセルを背負ってたあの頃…
前までまだ小学生だったのに、もう中学生になったのだ

美結『久しぶり!敬語使わなくてもいいよ(笑』

みかん「いいの?わかったぁ!」

美結『お前…大きくなったなぁ…』

みかん「ほんと?!嬉しい♪身長伸びたぁ!」

美結『いや、横だよ横w』

みかん「え…ひどいよぉ…(涙」

美結『ははっ、冗談だよ冗談』

美結『いやーでも本当に大人っぽくなってるよ?』

みかん「えへへ…みゆさまも凛々しくなってる///」

美結『そうか?そう言われると嬉しいな…///』

みかん「あれれぇ?もしかして照れてる?♪」

美結『て、照れてない!///そして顔近い!』

みかん「あはっ✩てへぺろりーたぁー♥」

美結『懐かしいwwまだ続いてたのか!てへぺろりーたー』

みかん「あったり前田のクラッカー✩」

美結『シャナかよ(笑』

みかん「シャナちゃん懐かし~い!元気にしてるかなぁ~」

美結『ああ、してるよ』

みかん「よかったぁ♪やまとくんもはるかちゃんも
              ちいちゃんもゆっちちゃんも!元気かなぁ~♪」

美結『あれからもう2年か…解散してから全然会ってないな…』

みかん「そうなの?!解散しちゃったからやっぱり
              もうお別れなのね…悲しい…でもみゆさまだけにでも
              会えて、嬉しい…幸せ(*´ ∀`*)」

美結『ああ、私も嬉しいよ^^すごい偶然だね!』

みかん「うん!!これから毎日一緒にかえろー♪」

美結『いいね!そうしようか!』

みかん「あ!あとね!みかん、スマホ買ってもらったの~!」

美結『おお~よかったね!』

みかん「LINEやってる?」

美結『一応やってるよ!』

みかん「じゃあLINEのお友達なろ~♪」

美結『いいよ!』

[『♥みかん♥』と『みゆ』が友達になりました]

みかん「わはぁあああああい!!」

美結『これでいつでも連絡とれるね!』

みかん「うん!スタ爆してやるー!」

美結『やめなさい(笑』

みかん「てへぺろりーたー✩」


みかん「…あーーー!今日5:10から塾だったぁーーー!」

美結『塾通い始めたのか!』

みかん「そう!冷やし中華始めたの!!急がなきゃ!」

美結『冷やし中華…w古いないつのネタだよ…』

みかん「そ、そ、それじゃあ今夜LINEで会おうねー!」

美結『OK!そんじゃ、またね!』

みかん「冷やし中~華ぁ!はぁーじぃーめましたぁ~~!!」

みかんは甲高い大声で歌いながら猛ダッシュで去っていった

(ズルッ!バタッ!)

みかん「いったぁあああい!!」

美結『おいおい…落ち着け…』


―PM8:40―

お風呂、夜ご飯を済ませて
美結は布団にもぐった

美結『さーてと…』

さっそくスマホでLINEを起動すると…

美結『うわ!さっそくスタ爆きてるし』

[みゆ:お前…(^_^;)]
[みかん:てへぺろりーたー✩]

美結『いや、既読早いなおい!一瞬じゃねえか!』

[みかん:ねぇねぇ!電話しよ♪]
[みゆ:いいけど、なんで?]
[みかん:声が聴きたい♥]

美結『マジかよ』

[みゆ:いいよ~]

(♪~♬~♪)
[♥みかん♥からの着信です]

美結『だからはえーよ!』

(ピッ)

美結『もしもーし』

みかん「…えへへ///なんだか…ドキドキしちゃうね♥」

美結『なんで?』

みかん「夜にこうやって…お話するの初めてだから…///」

美結『ああ、そうだな』

みかん「…ねぇ、みゆさまって恋人できた?」

美結『……うーん…いない…かな…?』

みかん「へぇ~♪好きな子は?」

美結『いないよ』

みかん「へぇ~~~?♥」

美結『みかんは?』

みかん「えっとぉ…」

みかん「知りたい?♥」

美結『うん!』

みかん「明日、教えてあげる♪」

美結『えーーーー!』

みかん「みゆさま…明日楽しみにしててね…♪」

美結『わかった!首を長くして待ってるよ!』

みかん「みゆさま愛してる…///」

みかんは小さな声でそう囁いた

美結『ん?なんてー?』

みかん「ううん!なんでも~?♪」

美結『そうか』

美結には本当に聞こえなかったようだ

みかん「みゆさま!しりとりしよ!」

美結『えっ、いきなり?!まぁ、いいよ!』

みかん「ちりとり!」

美結『そこちりとりなんだ(笑) りんご』

みかん「ゴキブリホイホイ!」

美結『磯巾着』

みかん「ク…クリトリス!」

美結『おいやめろ!お前そういう趣味だったのかよ』

みかん「えぇ?なんでぇ?今みかん、栗とリスって言ったんだよぉ~?」

美結『はい嘘乙ー、そういうのいいよwww』

みかん「もぉ~照れてるくせにぃ~!素直になりなよぉ!」

美結『…お前…エッロ。』

みかん「みゆさま…エロいこと好きなんでしょぉ…?」

美結『なあ、みかん…そういう話やめようぜ?』

みかん「ねぇ~正直になってよぉ…みかんも好きだからさぁ…?」

美結『…ばいばい!』

みかん「あ!待って!明日スマイル公園に学校終わったら集合ねぇ!」

(ブチッ)

みかん「あ、切れちゃた…」


-次の日-

AM8:40

今日は遅めに学校に来た美結
昨日の今日は流石に気まずかったのだ

美結『…』

美結は人目を気にして身をひそめながら保健室へ行った

保健室の先生「あら、どうしたの?」

美結『もう教室に行きたくないです…』