団地裏では故障した子猫の鳴き声。
こんな雨が降る日の部屋だったよね。
僕達が壊れたのは──。
何にもない部屋だった。
だけど幸福が全部あった。
それだけの日常だったけれど、
それだけで十分だった。
例えば平凡な恋愛映画。
「作り物みたい。」って笑っていたっけ。
でもまさか、僕達がその作り物だったなんてね。
雨に濡れた歩行器と死んだ三輪車の側で、
動けない捨て猫が親を呼んでいます。
誰でも待ち続ける事に寄りかかってしまえば楽なんですよ。
ほら、それは、聞こえの良い拒絶でしょう。
あの日、あの部屋は、
見知らぬ幸福できれいになっていたと云う良くある話。
そして、幸福で汚れたままの僕に聞きたかったことは、
只の錆びた言葉。
団地裏で停止した子猫の鳴き声。
僕が拾った小さな冷たさは胸の中で震えながら温かかった。
温かかったんだ──。
さあ、雨も止みだした。
びしょ濡れの顔で歩きましょう。
水たまりの底を覗いてみれば、
新しい僕は青空だった。
さあ、何処に帰ろうか。
雲の切れ間から陽が叫び、
僕は「さよなら。」に会いたくて、
大好きだったあの部屋の鍵を捨てた。
あの日、あの部屋は、
見知らぬ幸福できれいになっていたと云う良くある話。
そして、その部屋はきっと何処かでまた笑いかけます。
そう、こんな雨の後で。
団地裏では修理した子猫の鳴き声。
思い出にバイバイ。
──幸福で汚れた部屋。
こんな雨が降る日の部屋だったよね。
僕達が壊れたのは──。
何にもない部屋だった。
だけど幸福が全部あった。
それだけの日常だったけれど、
それだけで十分だった。
例えば平凡な恋愛映画。
「作り物みたい。」って笑っていたっけ。
でもまさか、僕達がその作り物だったなんてね。
雨に濡れた歩行器と死んだ三輪車の側で、
動けない捨て猫が親を呼んでいます。
誰でも待ち続ける事に寄りかかってしまえば楽なんですよ。
ほら、それは、聞こえの良い拒絶でしょう。
あの日、あの部屋は、
見知らぬ幸福できれいになっていたと云う良くある話。
そして、幸福で汚れたままの僕に聞きたかったことは、
只の錆びた言葉。
団地裏で停止した子猫の鳴き声。
僕が拾った小さな冷たさは胸の中で震えながら温かかった。
温かかったんだ──。
さあ、雨も止みだした。
びしょ濡れの顔で歩きましょう。
水たまりの底を覗いてみれば、
新しい僕は青空だった。
さあ、何処に帰ろうか。
雲の切れ間から陽が叫び、
僕は「さよなら。」に会いたくて、
大好きだったあの部屋の鍵を捨てた。
あの日、あの部屋は、
見知らぬ幸福できれいになっていたと云う良くある話。
そして、その部屋はきっと何処かでまた笑いかけます。
そう、こんな雨の後で。
団地裏では修理した子猫の鳴き声。
思い出にバイバイ。
──幸福で汚れた部屋。