(4-12)のつづき
1981年4月30日から5月16日までディシプリン=キング・クリムゾンのツアー。その後、「Discipline」のレコーディングを行い、終了後、7月27日から8月7日までフリップはソロツアーを行っている。
7月27日、ニューヨーク、Washington Square Church公演。
DGMLive
(1)Test Loop(2)Loop I(3)Loop II(4)Loop III(5)Test Loop And Solo(6)Loop I And Solo
この教会では8月2日までの6日間に8公演行っている。その初回の音源。
いわゆる80年代キング・クリムゾンの始まりを告げるツアーを行い、アルバムをリリース(9月22日)するまでの間にこんなスケジュールを詰め込むとは驚いた。さすがのクリムゾンファンの私でも知らなかったのだが、DGMLiveサイトに音源がアップされていたので聴かないわけにはいかない。ここに演奏された曲はすべてフリッパートロニクスによるもので、もちろんクリムゾンの音楽ではない。レーザー光線のようなサウンドがループする様は心を落ち着かせるにはピッタリ。そんな中、(5)では超速アルペジオを挿入し、若干クリムゾンの匂いを放っている。
7月28日、ニューヨーク、Washington Square Church公演。
DGMLive
(1)Test Loop(2)Loop I(3)Loop II(4)Loop III(5)Test Loop And Solo(6)Loop I And Solo(7)Loop II And Solo(8)Loop III And Solo
フリップはなぜフリッパートロニクスのコンサートを続けるのかについて、数週間前のインタビューでこう語っている。「オーディエンスと密接に連絡を取り合いながら演奏することで、オーディエンス、パフォーマー、音楽の関係性の中で、ある素晴らしい何かが起こる。それはグループでは不可能だ。私がこれまでに見つけた最も楽しい演奏手段です」とある。ループで作ったサウンドにソロを乗せていくとき、様々なメロディのアイディアが湧き出てきて、その場限りのパフォーマンスが生まれている。確かにこの日の演奏は特別な瞬間がいくつもあったような気がする。
(4-14)につづく