ヴォルク・ハン引退興業が心配だ | ヒロエモンのハッソーハッソー

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12月16日、ヴォルク・ハンの引退試合が行われる。相手は船木誠勝!

まさにドリームカード。当時を良く知るリングスファンなら絶対に実現不可能だった試合が来月行われる。まだ試合形式は決まっていないようだが、どんな形であれ非常に楽しみだ。

船木は現在プロレス界に復帰し、現三冠ヘビー級王者。タイトルの重みからするとむやみに他団体に出撃するのに賛否両論あるようだが、私は問題はそこではないと思っている。

当日はリングスとアウトサイダーの合同興業となっているが、ほとんどの試合がアウトサイダーだ。参戦予定の選手を見ると、ボディに刺青をした選手の割合が非常に多い。アウトサイダー自体、ケンカ自慢のワルを集めた総合格闘技大会であり、試合後はセコンド同士が乱闘になることもある。観客にその手の応援団も多いようだし、会場に入る際に金属探知機でボディチェックが入る団体だ。

実際はケンカ自慢とはいっても格闘技の心得がないと勝ち続けることができないため、技術の応酬も見られる。しかし基本はタイマンで、プロレス界で言うと、村上和成vs村上和成といった感じ。だから試合もエキサイティングになり人気も高い。


問題は、そうした選手や観客たちは、ヴォルク・ハンの全盛期を知っているのだろうか、ということ。

ハンは1990年代にリングスマットでコマンドサンボの名手として大活躍した選手で人気も高かった。

当時のリングスはその後の総合格闘技ブームの土台を築いた団体で、ヒョードルやノゲイラを輩出し、非常に先見の明があり、試合内容も技術の応酬が見られて面白かった。ハンは和製藤原喜明と言われ、多彩な関節技で名勝負も多い。


そのハンが日本で引退試合を行う。もちろん当時のファンは見に行くだろう。ただし、他の観客はハンの凄さを知らない可能性が高い。

せっかく日本で引退試合を行ってくれるのだから、ファンなら温かく見守ってあげたい、今までの名勝負に感謝したい、労をねぎらいたい、温かな雰囲気の中、引退をさせてあげたいと思う。アウトサイダーの会場でそれが出来るだろうか?

どうせなら、後楽園でいいからリングス単独の興業として、古くからのファンで超満員の中、引退試合を行って欲しかったのが正直なところ。


しかしもう決まってしまったこと。

ヴォルク・ハン選手、今まで名勝負をありがとう。お疲れ様でした。