おとなのひきこもりの当事者経験者が、あらためて人権を主張した文書「ひきこもり人権宣言」の、note掲載と記者発表から、きょうで1年です。

 

 私は同宣言の作成班が結成されたあとに請われて班のメンバーになり、記者会見に同席するに至りました。

 

 同宣言は “引き出し屋” と呼ばれる悪質支援業者と、それらが跋扈する土壌である「ひきこもり当事者には人権なんか必要ない」という社会のスティグマ・差別に向けた意思表示のひとつです。

 私は、これをひとりでも多くの方がひきこもり対応の参考にしていただけるよう、講演に盛り込んだりしています。

 

 また、この宣言はフリースクールに通う子どもたちが作成した「不登校の子どもの権利宣言」がヒントになっています。

 そこで、ふたつの宣言の共通点を挙げて論じたメールマガジンの文章をnoteに転載していますので、ご関心の方はお読みください。

 

 その後、去る7日には次の手として共同代表3人が兼ねている「ひきこもり報道ガイドライン作成班」が「ひきこもり報道ガイドライン」を発表しました。

 「~人権宣言作成班」と「~報道ガイドライン作成班」とは中心メンバー以外重なっておらず、私は前者だけに所属していたので「~報道ガイドライン」は事前に読んで修正意見を伝え、賛同者に名を連ねたうえ記者会見にメッセージを送っただけなんですが、ようやくここまで来たと安堵しています。

 

=====記者会見に送ったメッセージ

 不登校・ひきこもりの “経験者相談員” です。

 仕事柄「当事者を紹介してください」という依頼をいただくことがあります。実際に断ったあとその番組を見たら “引き出し屋” と呼ばれる悪質支援業者が取り上げられていた、ということもありました。

 「当事者が問題ある者で支援者が当事者を更生させるヒーロー」と位置づけての報道で取材対象の多くが悪質支援業者だったことは、裁判等で明らかになっているとおりです。

 良心的な支援者は、二つ返事で当事者をマスコミに紹介したり取材させたりすることはありません。

 マスコミ各位におかれましては、このガイドラインを取材対象の選択にお役立ていただき、正しい理解につながる報道に努めてくださいますようお願いするしだいです。

 また読者・視聴者におかれましては、取材されたのが良心的な支援者かどうかを判断するうえで、このガイドラインを活用していただきたいと切に願っております。

 

↓全文と賛同者一覧はこちら

 

現場からは以上です。