これまでエビスフィッシングが販売したアンバサダーを多数収集して来ましたが、それらの中には本体と付属品の年代が不一致と思われる個体も存在しています。
アンバサダー5500
例えばこの5500。箱その他付属品が全部揃った美品で、随分前に某オールド系のショップでデッドストックということで購入した物です。
左の5500ステッカーは茶銀です。
フットナンバーは790101になります。
販売刻印が打刻されていないので、79年の1月から80年までにエビスから販売された個体ということがわかります。
EFマークも青い部分が少し薄くなっていて、79年に貼られた初期のEFマークの特徴をあらわしています。
しかし問題なのはその付属品。不思議なことにブルーカードはライフタイムサービスのタイプが添付されています。登録ハガキとブルーカードのナンバーはちゃんと一致しています。
日本語の説明書も横開き冊子タイプが付属していますね。
通常EFマークが貼られていて販売刻印の無いモデルは、この画像のような無印タイプのブルーカードが付属しているはずです。
その時期の販売であれば、通常日本語の説明書はこのような折りたたみタイプの物が付属しています。
この5500にはライフタイムサービスのブルーカードが付属していますが、このサービスが適用されたのは1985年頃。
つまり何が言いたいかと言うと、この5500は79年に販売された後、1985年以降に日本語の説明書と保証書類だけ最新の物に入れ替えられていると言うことです。
おそらく長期間店頭在庫だった物に、エビスフィッシングの営業の方が保証書類だけ最新の物に差し替えたのだと思われます。
アンバサダー5001C
お次は5001C。こちらも同じショップでデッドストックとして購入した物です。
モデルナンバーはステッカータイプです。
黒EFマーク
外箱には赤いプライスシールが貼られていて、本来なら年代的にEFマークは貼られていないはずなのですが、本機では何故か83年以降に採用された黒いEFマークが貼られています。さらに、本来なら付属しないはずのブルーカードも付属しています。
750802 84U
フットナンバーは750802で、販売刻印は84Uと打刻されています。
未開封の保証書類
日本語の説明書やブルーカードなどは未開封のままなので開封して中を確認してはいませんが、販売刻印が84なので、おそらく10年保証のブルーカードが入っていると思われます。
このリールも先の5500と同じように売れ残った個体に保証書類を添付したと思われますが、黒いEFマークが貼られ販売刻印も打刻されている点が謎です。
このリールはブルーカードやEFマークが添付される以前に販売された個体なので、おそらく売れ残ったリールを一旦エビスのサービスセンターに引き上げて、そこで販売刻印の打刻とEFマークの貼り付け、ブルーカード類の添付をして再度販売店に戻した個体だと思われます。
当時を知る方の情報では、都内でも83年頃まではこのようなアンバサダーのオールドモデルが残っていたそうです。
さすがに人気モデルの5500Cや5600Cなどのボールベアリング仕様ハイスピードモデルはすぐ店頭から姿を消したはずですが、今回のようなブロンズブッシング仕様や左ハンドル、ローギアのモデルなどはかなり長い間店頭に並んでいたようです。
当時のエビスフィッシングの営業さんは、そのような長期在庫品に対して今回のようなサービスを展開しておられたのだと思われます。