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釣りサンデー93年8/8日号
 
「この本見てみ!」1993年のある日、釣友のM氏が1冊の本を僕に手渡しました。
その本とは、なんてことはないどこにでも売ってる釣りサンデーだったんですが、その表紙の写真を見た僕は目の玉が飛び出しそうなくらい驚きました。
その雑誌の表紙には巨大なビワコオオナマズを持った老アングラーの姿が!その老アングラーこそ、知る人ぞ知るベテランアングラー猪川清さんだったのですが、彼がまだ健在でしかもビワコオオナマズ釣りに入れ込んでいることに驚きました。猪川清さんと言えばその昔、ザ・ブラックバスという本や、レスターファイン・ミノージャックの雑誌広告に出ていたりしたので、古くからのアングラーならご存知の方もいらっしゃると思います。
 
 
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月刊フィッシング 80年11月号より
 
「すげぇーっ!猪川さんがオオナマズ釣っとるやんけ!!」 思えば80年代初頭にこのフィッシング誌の記事を見て以来、ずっと気にはなっていたビワコオオナマズ。すっかり忘れかけていたこの魚を是非釣ってみたいという強い衝動に再びかられました。
当時はチャリンコ小僧でしたが、今の僕達は車に乗ってどこにでも行ける。早速僕達は釣行を企てたのでした。
 
 
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帝王現る
 
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帝王を釣る道具たち
 
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激流の中をファイトする猪川氏
 
 
この雑誌には詳しいポイント情報は書かれていなかったのですが、写真の風景や過去のフィッシング誌の記事から、どの辺がポイントなのかはおおよそ判断できたのです。
 
僕達は早速大きめのスプーンやシンキングミノーを買いあさり、所有している最強のタックルを準備。そして高速道路をぶっ飛ばしてポイントを目指したのです。
 
しかしいざポイント付近に着いて見ると、広すぎてどこがいいのかわからなく、しばし途方に暮れていました。
ところがM氏はここで驚異的な能力を発揮したのです。彼は雑誌の写真を見ながらある特徴的な建物に目をつけ、それを目印にしてポイントを探したのでした。しばらくすると彼は、「あそにある家ってこれやな?」と前方かなたにある1件の家を指差しました。指差した家は間違いなく写真の中と同じ家で、我々は「ここなら釣れる!」という強い確信が持てるポイントに入ることが出来たのです。
 
しかし間違いないポイントのはずだったにも関わらず、その日はノーバイトに終わりました。しかしどうしてもあきらめきれない僕達は、毎週休みの度にここへ通いつめました。何度ボーズを喰らったかわからない。
すっかり晩秋に入ったある日、僕達はその日も相変わらずポイントに立っていました。しばらくしてM氏はバックラッシュをしてしまった。そのラインをほどいているとき、何と彼のラインは流れと逆方向に走ったのです。慌てた彼はバックラッシュのままリールを巻き取り強引にファイト!
 
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80cmクラスの小型  ロッド Mr・DON SH58   リール ABU5600C
 
まるで牛でも引っ掛けたかのようなトルクフルな引きにM氏は驚きを隠せないようでした。数分後に強引にランディングしたのは、90cmクラスの大型!マナマズと異なるグレーの体色が印象的でした。
 
この1匹からキモを掴んだ僕たちは、それまでのボーズが嘘のように魚を釣ることが出来ました。それまでの僕達はルアーを引くスピードが速すぎたことと、表層をトレースし過ぎていたのが釣れない原因でした。
 
残念なのは、写真がこの1枚しか残っていないことです。その後は二人共けっこうな数をキャッチしたと思いますが、たしかM氏の最長は103cm、僕は101cmだったと思います。写真は80cmクラスですが、このサイズは小型で、アベレージは90cmくらいあった記憶があります。
日本にいてまさにオーパの世界を味わえるとは夢にも思っていなかったのですが、現実に日本にもこんな魚がいるんです。
 
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Fenwick+ABU 怪魚釣りの定番
 
あれからもう20年、また行こうとずっと考えていてタックルの準備も万全なんですが、なぜかこの時以来まったくあの地を訪れていないのです。今年こそは気合を入れていってみようかな~?