洋裁の本にはよく下準備として生地は水通しして地直ししておきましょうと記載されています。ハンドメイド品を販売するならなおさら水通しは必要?
ちょっと待って!水通しはとても手間のかかる工程です。本当に必要なのか慎重に検討しましょう。
- 水通しの意義とメリット
- 水通しのデメリット
- 水通しの必要性を検討するポイント
- 完成後の縮み、変形対策
- まとめ
1.水通しの意義とメリット
- 生地の縮み防止
- 色落ち防止
- のりや化学物質を落とす
2. 水通しのデメリット
- コストがかかる
- 素材が劣化する
3. 水通しの必要性を検討するポイント
- 素材の特性、状態
そもそも水につけられる生地か、縮みやすい生地か、色落ちしそうな生地か、地の目は整っているかを確認しましょう。水通ししたところであまり変化がないのであれば必ずしも水通しする必要性はありません。仕入れた生地屋さんの商品説明に収縮率、洗濯について記載があれば参考にしましょう。
- 作ろうとしているアイテムは何か
洗濯を前提にしないアイテムやポーチ、バッグ、布小物など収縮してもサイズに大きな変化はないアイテムは水通しの必要性は低いです。
4. 完成後の縮み、変形対策
- 生地の一部を使ってテストし型紙作りやアイロンで調整する
生地にあらかじめ50cm程度の距離で印をつけておきスチームアイロンで蒸気と熱を加えます。アイロンは浮かせるようにしてガンガンスチームを当てましょう。
しばし放置した後どれくらい収縮したか確認します。収縮率が高そうであれば水通しも試して前後の変化を調べてもよいでしょう。やり方を動画にしました。
こうしてどれぐらい縮むのかをあらかじめ把握しておき、対策を考えましょう。型紙を収縮分を見込んだものに修正したり、生地にスチームを当てて収縮させてから裁断したり、芯貼りは粗裁ちして接着してから型紙通りに裁断するなど臨機応変に対応しましょう。
- 裁断時にパーツの置き方を工夫する
- お客様にケアの方法、素材の特性を説明する
当たり前ですが、お客様に洗濯や使用方法の注意点を明示し適切なケアを促しましょう。
5. まとめ
水通しはコストがかかります。何のために水通しをするのかという目的から、見合う効果が得られるか検証して判断しましょう。代替策を組み合わせることで仕上がりをコントロールしやすくなります。趣味で楽しく販売したい方は別としてハンドメイドで利益を上げたいと考えるなら生産性も意識して制作しましょう