【ハンドメイド販売品】水通しが必要かは慎重に検討しよう | ハンドメイド作家のソーイングガイド effi-sewing

ハンドメイド作家のソーイングガイド effi-sewing

一作家が経験したハンドメイド販売の難しさ、楽しさを余すところなくお届け!
縫製、裁断経験者の知見からソーイングノウハウも発信

 

洋裁の本にはよく下準備として生地は水通しして地直ししておきましょうと記載されています。ハンドメイド品を販売するならなおさら水通しは必要?

ちょっと待って!水通しはとても手間のかかる工程です。本当に必要なのか慎重に検討しましょう。

 

  1. 水通しの意義とメリット
  2. 水通しのデメリット
  3. 水通しの必要性を検討するポイント
  4. 完成後の縮み、変形対策
  5. まとめ

 

  1.水通しの意義とメリット

 

  • 生地の縮み防止
 綿、麻などの素材は水分を含むと縮みます。この収縮分を考慮せずに作ってしまうと洗濯したときに縮んでしまう可能性があるため、あらかじめ水通しによって縮ませておくことで完成後の収縮を最小限におさえます。
 
  • 色落ち防止
 余分な染料を落とすことで洗濯時の色移りを防ぎます。
 
  • のりや化学物質を落とす
 ベビーアイテムは肌が敏感な赤ちゃんのため事前にのりを落とすことが推められています。
 

 

  2. 水通しのデメリット

 

  • コストがかかる 
 生地を水に数時間浸し、しわにならないように水分を切り、半乾きになるまで干し、アイロンで縦と横の字の目を整えるという時間と手間がかかること。価格設定するときにはこの工賃も考慮しなければなりません。ワンピース1着分の生地を水通ししてかかった作業時間を仮に1時間とするなら時給1000円とした場合、これだけで1000円価格を上げる、すなわちお客様から頂くことなのだという認識が必要です。
 
  • 素材が劣化する 
 摩擦による表面の毛羽立ち、はりがなくなるなどくたびれた感が出てしまうことがあります。
 

  3. 水通しの必要性を検討するポイント

  • 素材の特性、状態

そもそも水につけられる生地か、縮みやすい生地か、色落ちしそうな生地か、地の目は整っているかを確認しましょう。水通ししたところであまり変化がないのであれば必ずしも水通しする必要性はありません。仕入れた生地屋さんの商品説明に収縮率、洗濯について記載があれば参考にしましょう。

 

  • 作ろうとしているアイテムは何か

洗濯を前提にしないアイテムやポーチ、バッグ、布小物など収縮してもサイズに大きな変化はないアイテムは水通しの必要性は低いです。

 

  4. 完成後の縮み、変形対策

  • 生地の一部を使ってテストし型紙作りやアイロンで調整する

生地にあらかじめ50cm程度の距離で印をつけておきスチームアイロンで蒸気と熱を加えます。アイロンは浮かせるようにしてガンガンスチームを当てましょう。

しばし放置した後どれくらい収縮したか確認します。収縮率が高そうであれば水通しも試して前後の変化を調べてもよいでしょう。やり方を動画にしました。

 

こうしてどれぐらい縮むのかをあらかじめ把握しておき、対策を考えましょう。型紙を収縮分を見込んだものに修正したり、生地にスチームを当てて収縮させてから裁断したり、芯貼りは粗裁ちして接着してから型紙通りに裁断するなど臨機応変に対応しましょう。

 

  • 裁断時にパーツの置き方を工夫する
これは縮み対策ではありませんが、アイロンで曲がった地の目を直す、いわゆる地直しの代替策です。生地の地の目は耳(生地の端)が曲がっていることが多いです。

 

 

これを完璧に整えるのは現実的ではありません。服であれば前後中心は耳側でとらない、見返しなど外から見えない部分を耳側でとるなどの工夫をしましょう。
 
  • お客様にケアの方法、素材の特性を説明する

当たり前ですが、お客様に洗濯や使用方法の注意点を明示し適切なケアを促しましょう。

 

  5. まとめ

水通しはコストがかかります。何のために水通しをするのかという目的から、見合う効果が得られるか検証して判断しましょう。代替策を組み合わせることで仕上がりをコントロールしやすくなります。趣味で楽しく販売したい方は別としてハンドメイドで利益を上げたいと考えるなら生産性も意識して制作しましょうニコニコ

 

 

 

もっと詳しく知りたい!
お問い合わせ、ご相談はこちらから⇩

 

 友だち追加