刑事補償法から見た人生の金額 | キャリアコンサルタント福井祐平の『What's人財』

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2014年3月27日に、死刑判決を受けていた袴田巖さん(1936~)さんが、静岡地裁が再審開始と、死刑及び措置の執行停止を決定したため、刑務所から出所しました。



袴田巖さんは、48年以上を刑務所で過ごしていました。



現在の日本の刑事補償法では、無罪判決を受けた方へ補償する旨とその金額が、定められています。



無罪判決時の補償金額は、以下の通りです。

【補償金額】
<抑留・拘禁>
1日当たり1,000~12,500円以下の範囲内で裁判所が定める額
<死刑執行>
3,000万円以下+財産上の損失額
<罰金・科料>
支払った額に加え、1年につきその額の5%の金額を補償
<没収>
没収品が処分されていない場合はそのまま返却し、処分済みの場合はその物の時価相当額を補償



仮に抑留・拘禁された場合の最高額12,500円が出たとしても、24時間拘束された場合、1時間あたり約520円になります。この金額は、日本国の最低労働賃金を下回っています。



1年間365日抑留・拘禁された場合は、4,562,500円になります。



日本人の平均寿命は女性が86.41歳、男性が79.94歳です。



生まれてすぐに抑留・拘禁され、現在の平均寿命まで生き、最高額の補償金が出た時にもらえる金額は、女性は3億9,424万5,625円、男性は3億6,472万6,250円になります。



袴田巖さんは、刑務所に収監される前は、プロボクサーとして活躍していました。




出所後、48年にわたる死刑の恐怖と収監に耐え抜いた功労により、世界ボクシング評議会(WBC)認定フェザー級名誉王者のチャンピオンベルトが贈られました。



2014年5月19日に後楽園ホールで行われた「ボクシングの日」イベントでは、袴田巖さんに贈呈式が催されました。



人生は、お金に変えることはできません。1日12,500円貰えたとしても、24時間刑務所野中で死刑の恐怖を感じながら生活するのは絶対にできません。



ハーバード大学の図書館には、「君が無駄にした今日は、多くの人が願っても叶わなかった明日である。今日は二度とこない。」との落書きがあるそうです。



1日1日を大切に過ごしたいと思います。

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福井祐平