地方公務員の来年度給与引き下げについて | キャリアコンサルタント福井祐平の『What's人財』

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新藤総務大臣は、政府が国家公務員に準じて地方公務員の給与の引き下げを求めていることについて、消費税が上がる来年度以降の対応は、地域経済の与える影響なども考慮して判断する考えを示しました。



経団連会長の米倉会長は10月11日、会員企業に対して従業員の報酬引き上げを求めていく考えを示しました。



米倉会長は、「政府も経団連も賃上げを企業に強制することはできないが、業績がよくなればそれを賃上げにつなげるという政府の要望は、会員企業に伝えていく」と語っていくと言ってます。



政府は、国家公務員の給与を平均7.8%削減し、東日本大震災の復興費用に当てています。



しかし、2012年度の復興費の執行状況を見ると、政府が予算化した9兆7402億円のうち、35.2%にあたる3兆4271億円が使用されておりません。



政府は予算を消化できなかった理由を、「地元との調整に時間がかかったことから事業のめどが立たなかった」と説明しています。



平成24年時点の地方公務員人数は、約234万人です。財務相が報告している資料によると、地方公務員の1年間の給与総額は、約21兆円になります。



地方公務員の1年間の給与総額21兆円を、国家公務員と同じ7.8%削減した場合、約1兆6300億円を算出できる計算になります。



消費税が上がる来年度に地方公務員の給与を国家公務員と同じ水準まで削減しなくても、使用されていない復興予算額3兆4271億円を下回っているため予算上は問題ないように思えます。



私は香川県の小豆島に住んでいたこともありますが、地方公務員は人気の就職先です。給与が削減されると、地元経済への影響も少なからずあるでしょう。



しかし、地方公務員を国家の一組織として見た場合、国家公務員の給与は下げて、地方公務員の給与は下げないという不公平は、組織運営に影響があるのではないでしょうか。



地方団体は、「地方公務員の給与を引き下げると、民間企業の給与も連動して下がる傾向があり、地域経済への影響が大きい。デフレ脱却に向けて民間企業に賃上げを求めていることとの整合性をとるべきだ」と言っています。



地方公務員の給与額をどの程度削減しようとしているのか、また削減した給与の予算を何に使用するのか、政府の今後の動向に注目です。