
安倍晋三首相が4月19日に経済3団体トップに新卒採用の就職活動解禁時期の後ろ倒しを呼びかけ、各団体の代表は受理しました。これによって、2106年卒の大学生より解禁時期が今までよりも遅くなることが決まりました。
今回は、「就職活動解禁時期の後ろ倒し」について学生目線でご説明します。
「就職活動解禁時期の後ろ倒し」を政府目線で書いたブログ記事はこちらです。
http://ameblo.jp/husegitai/entry-11526736217.html
現在の新卒採用活動では、説明会などを12月ごろから開始し、筆記試験や面接などの選考活動を4月ごろから開始します。2016年度卒の学生からは、説明会などが3月ごろから開始され、8月ごろから選考活動が開始されます。
まず、本題に入る前にアメリカの新卒学生がどのように就職活動をしているかご紹介します。
アメリカでは、卒業時期が学生により異なり、また新卒の学生を定期的に採用することがありません。これはアメリカに終身雇用制度がなく、比較的頻繁に転職をするため退職時期を予測することができないためです。
また、日本では実務経験のない新卒者を「育てていく」という考え方がありますが、アメリカでは日本と違い新卒学生であっても「即戦力」であることが求められます。
こうした背景から、アメリカで新卒で正社員を獲得している学生の多くは、在学中にインターンシップやパートタイム、または契約社員という形で実務経験を積んでいます。
就職活動解禁時期が3月に後ろ倒しとなると、海外に留学して帰ってくる大学生にとっては今まで応募できなかった企業にも就職浪人せずに応募できるようになりました。一方、就活期間が短くなることで応募できる企業数が減ることにでしょう。
現在では、大抵の学生が学生が大手や有名企業を志望し、不採用となるにつれて現実的かつ実力に見合った路線に落ち着いていきます。就活期間が短くなった場合、そのプロセスを歩まず、いつまでも理想を追い求め、結果的にどの企業にも内定をもらえない学生が多くなるでしょう。
新経済連盟の三木谷浩史代表理事は5月8日の記者会見で、就職活動解禁時期後ろ倒しの政府の要請について、「会員企業に要請することにならないと思う」と語っています。新経済連盟の会員企業はIT企業を中心に約700社あります。経済団体ごとに対応が割れる可能性が出てきました。
三木谷浩史さんは「外資系に優秀な人材を採られるのではないか」と懸念を表明しました。「インターンシップやビジネス教育が必要という流れに逆行している」と政府を指摘しました。
現在の日本での主な新卒の就職活動方法は、下記の通りです。
【新卒の就職活動方法】
・新卒専用の求人サイトに登録する
・企業が出展する就活イベントに参加する
・人材紹介会社から紹介を受ける
・大学の就職課やゼミの教授先生から企業を紹介してもらう
・コネクション
安倍晋三総理の要請に応じる姿勢を示した日本経済団体連合会の会員であるリクルートと毎日新聞社は、新卒専用の求人サイトの開設時期を後ろ倒しするでしょう。
最近、企業もフェイスブックなどSNSを活用した就職活動を取り入れてきました。以前は、新卒学生の母集団を形成するのに媒体に頼ってきていましたが、今では企業がダイレクトに学生にアプローチすることが容易になり、欲しい人財の母集団を自ら形成することができるようになりました。
フェイスブックでは、ユーザーが出身地域や出身大学を登録しています。フェイスブックの広告出向は、ユーザーの登録情報ごとに限定することができます。例えば、企業が薬剤師の試験資格を持つ学生にアプローチしたい場合、「薬科大学」や「薬学部」と条件やキーワードを設定し条件にあったユーザーのみに求人情報を表示させることができます。
企業ごとに新卒採用解禁時期が異なってきた場合、おそらく以下のような就職活動の仕方になると思われます。
【企業ごとに新卒採用解禁時期が異なってきた場合の就活方法】
・企業の募集広告が学校ごとに限定される可能性があるため、学校選びから進路を考える
・フェイスブックやツイッターなどを必ず活用し、自分の情報を充実させる
・インターシップやアルバイトなどで在学中から就活する
・新卒紹介事業を行っている人材会社を活用する
・自分が希望する企業のHPで掲載されている新卒採用HPの開設時期を常にチェックする
・大手だけでなく中小企業にも就活開始時期から応募する
佐賀県武雄市は、2014年度から市内の全小中学校の児童生徒全員にタブレット端末を配布する方針を発表しましたが、就職活動をする学生個人の持ち物としても、スマホケータイかタブレット端末は必須となるでしょう。
次回は、「就職活動解禁時期後ろ倒し」について企業目線で書きます。
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福井祐平