
年功序列型賃金制度は、終身雇用、企業別労働組合と並んで典型的な日本的経営システムです。仕事の成果によって年棒が決められるやり方と違い、年齢や勤続年数をベースに賃金を上昇させていく人事制度になります。家族手当や子ども手当を制度として導入している企業もあります。
日本では、年少者は年長者を敬うべきという考え方もあり、終身雇用制度を安定的に運用するために活用されております。
年功序列制度のメリットとデメリットは、主に以下のようなものがあります。
<年功序列型賃金制度のメリット>
・多くの賃金を必要とする世代に多くの賃金が支払われるため合理的
・組織への忠誠心を保ちやすい
・組織の和を保ちやすい
・経営者が従業員の勤務成績を細かく調査したり調査させる必要がない
・いずれは管理職について賃金が上がるという期待の元に働いてもらうことができる(ニンジン作戦)
<年功序列型のデメリット>
・リスクのある行動に積極的ではない、思い切った施策がでない
・同一企業への勤続年数が重視されるので転職者に不利
・若年層が、成果に見合った報酬を与える企業に転職してしまう
・抜擢人事が行いにくい。抜擢実施をしてしまうと年長者のやる気が保たれないため。
・配置転換が発生するのでスペシャリストが育ちにくい。そのかわりゼネラリストは育つ。
インターネットを普及する前は人海戦術が有効で、年功序列型賃金制度と終身雇用制度は大変有効な制度でした。現在では、少子高齢化と経済成長率が横ばいな日本では、この制度を保つことが難しくなってきました。
年功序列型賃金制度を維持するために、定年制を設定し定年を迎えた社員を派遣契約や嘱託社員として再雇用しています。天下りが発生する原因にもなっています。
しかし、2000年代以降に就職する若年層では、年功序列型賃金と終身雇用の安定志向の傾向があります。
私に転職の相談に来る方にも、成果にともなった人事評価のある会社を求める方もいらっしゃいます。人事評価を入社前に確認することは正直難しいですが、方法としては人材紹介会社のエージェントに確認してもらうか、昇給の頻度やインセンティブ制度があるかどうか、賞与の計算方法などを聞いてみるのが良いでしょう
福井祐平
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