
マズローの欲求五段解説とは、アメリカの心理学者アブラハム・マズロー(1908年~1970年)が唱えた欲求段階説で、人間の欲求は、5段階のピラミッドのようになっていて、低いレベルの欲求が満たされるとより上位の欲求を求めるというものです。
マズローが言う人間の欲求を低いレベルから並べると、以下の通りになります。
第一段階:生理的欲求
第二段階:安全の欲求
第三段階:所属と愛の欲求
第四段階:承認(尊重)の欲求
第五段階:自己実現の欲求
生理的欲求とは、生きるため、食べるために働く欲求になります。まずはお金を稼がなかければいけないと思う気持ちが根源的にあるとしています。この段階は一般的ではなく、通常の健康な人はすぐ次の安全の欲求にうつると言われています。
安全の欲求とは、いまの生活を維持し、良い健康状態、良い暮らしの水準をしたい気持ちになります。この欲求は自分への驚異や危険に対して反応を抑えられない幼児期によく見られるそうです。
所属と愛の欲求とは、企業や社会に参加したい気持ちになります。人は生理的欲求と安全の欲求が満たされると、孤独感や人との関わりがない状態に痛みを感じるようになります。転職の相談にくる方で、会社の雰囲気や社風を気にする方がいます。
承認(尊重)の欲求とは、人や社会から認められたい気持ちになります。きちんとした評価をしてほしい、役職につきたい気持ちになります。この欲求が満たされないと、無力感や劣等感を感じるようになります。
最後に自己実現の欲求ですが、自分の能力や可能性を最大限に発揮し、自分のやりたいことを実現したり自己成長を図りたいと思う気持ちになります。
内閣府が発表している、働く目的に対する国民に関する世論調査(平成24年6月調査)は以下の結果になります。
お金を得るために働く:51.1%
社会の一員として、務めを果たすために働く:14.8%
自分の才能や能力を発揮するために働く:8.8%
生きがいをみつけるために働く:20.8%となっている。
平成23年10月の調査結果と比較して見ると、「お金を得るために働く」(48.2%→51.1%)と答えた者の割合が上昇し、「生きがいをみつけるために働く」(22.6%→20.8%)と答えた者の割合が低下しています。この結果から見ると、生理的欲求の段階の人が増えていると言えるでしょう。
私が求職者と面談していて感じることは、マズローの欲求5段階はピラミットにはなっておらず、いずれの人も何かしらの欲求を満たしたいと感じていると思います。私自身、年収も上げたいし、自分のやりたい仕事もしたいし、生活も維持したいし、もっと自己成長したいと思っています。また人の気持ちはすぐ変わるもので、明日になれば今の状態に満足しているかもしれません。
転職を考える際は、今の感情や欲求だけでなく将来のキャリアを意識して選択したほうがよいでしょう。
福井祐平
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