チダイの白子 | ウッカリカサゴのブログ

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日本産魚類の仔稚魚のスケッチや標本写真、分類・同定等に関する文献情報、
趣味の沖釣り・油画などについての雑録です。


チダイ 全長約30cm
150610 千葉県大原沖

以前のブログ(下記)にも書いたのだが,千葉県大原沖6月上旬のチダイの卵巣,精巣がかかり大きい。
通常チダイの産卵期は秋とされているが,もしかすると初夏から始まっているのかも知れない。
マダイとの交雑の可能性も・・・

 

大きな卵巣を持ったチダイ(6月上旬)
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以下,近畿大学水産研究所のHPから:
http://flku.jp/select/index.html

■より美しい養殖魚への挑戦

市場へ出荷されている交雑魚の中に、マチダイ(マダイ雌×チダイ雄)があります。

マダイの天然魚は鮮やかな赤色を帯びていますが、養殖魚は紫外線による日焼けによって黒化してイメージを損なっていました。

一方、チダイは成長が遅いものの、養殖しても赤色がほとんど失われない特徴があります。

そこで両魚を交配することによって、天然魚のような赤色を帯び、チダイよりも成長の早い形質を備えたマチダイが生み出されました。

しかし、体表が傷つきやすいなどの問題もあり、新たにマダイとマチダイを交配した「マチ戻し」を誕生させ、従来のマチダイよりすぐれた形質を備えています。


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ということは、タイ科の交雑個体には繁殖能力があり(すべての種での組み合わせかは不明)、その遺伝子が代々受け継がれていく(遺伝子浸透)ので、天然海域で一旦交雑が生じると(あるいは人工交配個体が天然海域に出ると)、その影響は次第に薄まっていくと推察されるものの、なんらかの形で現れるものと考えられる。