970310 千葉県太東沖 水深40m
仔稚魚の形態的情報の極めて少ないトゴットメバル。
この標本は,たまたま釣れた個体の胎内仔魚で,産出されるまでにはもう少し発育するのであろうが,これといった特徴は見られない。
たった1例なので確定的なことは言えないが,この海域でのシロメバル,クロメバル,ウスメバルの産仔期よりも少し遅いような感じがする。
外房では珍しい種ではないので,稚魚が見つかっても不思議ではないのだが・・・。
仔稚魚の段階では,少なくともウスメバルとよく似ていることが予想される。ウスメバルと同定しているタイプの中に紛れているのであろうか?
そういえばカレイ科の中で,底引き網の漁獲物中に比較的普通に見られるミギガレイ(福島ではニクモチガレイ)の仔稚魚はまだ見つかっていない。類似種の仔稚魚の中に紛れこんでいて,識別できていないだけなのかもしれない。