魚卵・仔稚魚の検索システムの構築に向けて | ウッカリカサゴのブログ

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日本産魚類の仔稚魚のスケッチや標本写真、分類・同定等に関する文献情報、
趣味の沖釣り・油画などについての雑録です。

検索

今から25年ほど前,稚魚図鑑の初版が出て間もなくの頃,今は亡き水戸先生,沖山先生,そして当時は環境調査会社に所属されていた平井さんらとともに,国からの受託調査の一環として,魚卵・仔稚魚の検索システム構築に向けてのプロジェクトを進めていたことがある。


その成果の一つとして,当時の知見に基づいて日本産魚類の計数形質などを整理したデジタルデータが蓄積された。

ちなみに,魚類検索
二版(2000)に基づく日本産魚類の計数形質データ(鰭条数,脊椎骨数)スプレッドシートが某水生生物分析会社のHPを通じて入手できる。

http://www.marino-research.co.jp/data.html

検索第三版(2013)では,計数形質の見直しが行われたようで,分類群によっては結構変わったものもある(稚魚図鑑第二版の計数形質は,検索第三版に準拠している)。

仔稚魚の分類・同定にあたって,
脊椎骨数(筋節数とほぼ等しい)は無くてはならない重要形質の一つである。

鰭条が未分化の仔魚であっても,
筋節数は数えられるので,ある程度の分類群の絞り込みはできることから,最重要な形質といっても過言ではない


ところが
検索第三版では,脊椎骨数が記載されていない分類群が結構あるのである。

仔稚魚の形態的分類・同定の発展のためにも,次の第四版では脊椎骨数データの充実に努めてくださることを希望する。