神通峡かいわいの昔話集 第64話 「塩出の池」 《企画・編集 佐田 保》 | 神通峡ふるさと創生物語ブログ1:「神通峡かいわいの昔話」・「集落ガイド」・「神通峡のわらべ歌」・「神通峡民話物語」等

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塩出の池   富山市下夕

 



大昔の白鳳元年(六七二)四月のこと、砺波地方に住んでいた弥鹿岐(みろき)という人が、大沢野の芦生に用事があって舟を急がせていた。


たまたま塩村のあたりで、朝もやの中から白髪の気品高い老人が現れ
「お前をなかなかの人物とみこんで、仕事を頼みたい。このあたりの人々は塩がなくて困っている。ところが、このすぐ近くにきれいな泉が湧き、美しい池をつくっている。この池の水を煮つめれば、よい塩がとれ、人々も喜ぶのだが、大変な仕事なので、めったな人間に頼むわけにゆかんのじゃ」

といったかと思うと、老人はハッと光を放ちながら南の空へ姿を消していった。


 弥鹿岐は、これは尊い神のご支持に違いないと、さっそく教わった通り、たけなす草をわけていくと、まもなく美しい池のふちにでた。弥鹿岐は、人々を集めて一部始終を話し、力を合わせて塩を焼いてみると、すばらしいよい塩がたくさんとれた。

 

人々は喜んで、この池を「塩出の池」と名づけ、塩神である塩土老翁命をまつる多久比礼志神社をたてて、神の恩にむくいた。


大沢野ものがたり