あぁ、疲れたなぁ。
家と呼べる家なんてない。
家族と呼べる、心許せる人なんて居ない。
友達と呼べる、頼り合える人すら居ない。
恋人と呼べる、守りたい人も居ない。
お金だって321円....全然無いよ。
最後に残ったのは、自分の身体と
「寂しい。」
...と、叫ぶ自分の感情。
こんな感情、捨ててしまいたいよ。
早く、この身体ごと脱ぎ捨ててさ。
僕は自由になりたいんだ。
暗い路地裏で、水晶を手にかざした
お婆さんが、
「あなたの来世は幸せでしょう。」
って、言ってたな。
僕の来世はどんなかな?
.....僕は、鳥になって、大きくお空を飛
んでみたい。
____そんな彼女にとって、「死」
とは、全く怖いものではなかった。
彼女はいつもマイペースで、
落ち込むのも、喜ぶのも、
本当に予測不可能だった。
ただ、彼女のまわりには、
だれひとりいなかったので、彼女のマイ
ペースに巻き込まれる人なんか、
だーれもいなかった。
......ある日。
「あ、自販機のおつり、取るの忘れちゃったなぁー。...んー、まぁいっか。....」
こう言い残して、彼女は観覧車の一番上か
ら飛び出した。
観覧車の鉄骨を、物凄いスピードでかわし
ながら。
彼女は無事、地面に落下した。
____少女はひとり、天国へと飛び出し
た。
....ピクリとも動かなくなった彼女は、
ただただ嬉しそうだった。
そんな彼女は通り過ぎてゆく人、
誰にも振り向かれやしない。
彼女は、死んだ。
般若のお面をかぶったひとりの少年が、
彼女の横を通り過ぎ、
「自販機のおつり口から、1円が出てくるなんてなぁ.....?」
そう言って、少年は1円玉を
空にかざした。
その空に、の大きな綺麗な鳥が1羽。
自由に、伸び伸びとしたその飛びように、
誰もが空を眺めながら、
溜息をついた。
____少女はひとり、
天国へと飛び立った。
これは、全然悲しいことなんかじゃない。
何処かで、
彼女の楽しい楽しい「未来」への、
扉が開いた音がした。
彼女はいつだって、笑顔を絶やさない、
強い少女なのだから。
そんな彼女が、誰かの希望にならない訳が
ないんだ。
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