「芸術とは歴史に埋もれたる人間を救い出す網を案出することである。」小林秀雄 |   心のサプリ (絵のある生活) 

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「芸術とは歴史に埋もれたる人間を救い出す網を案出することである。」

昨夜。二回目。好きな映画なので・・・・ぼんやりと

北斎漫画の映画を見ていました。

北斎と彼の面倒を見る妹。

すると、彼の妹はこう叫びます。!!!!

「お兄ちゃんなんか、えらい画家さんの真似ばっかり。自分の個性なんかないじゃない!!!!」

この北斎が最後は、日本の画家の歴史に名を残すとは本人も思わなかったかもしれませんね。!!!!!

彼はバッハと同じように、過去の絵を全てマスターし、最後は年齢を重ねるごとに、傑作をものにしていきます。それは鉄斎も同じです。90歳にして、最高傑作を描くわけですから。

いつもいつも、絵のことばっかり考えて、独り言を言っていたので、近所の人たちからは変人扱い。・・・

瀬戸内晴美は、「作家は人生に一冊の作品が残ればそれだけですごい」と書いています。

芥川賞を取っても、90パーセントの人たちはそのまま、消えていきます。同じく、芸能界。同じく、普通の会社。同じく普通の家庭。

なんでも本質は同じだと思います。

産むときの辛さが多ければ多いほど、それはその人の魂の宝が多いと考えられます。

簡単にパッパッと描く絵は、いずれ、消え去る運命でしょうか。

小林秀雄氏はこう書きました。「女性に惚れ込むようにして自分の好きなことに惚れ込む。好きこそものの上手なれ」と。

男性にとっては、女性は、特に性格もよし、器量もよしであれば、パッションも燃えることでしょう。

逆に、上野の公募展を過去何百回も見に行きましたが、毎年、同じような絵をだらだら、マンネリで描き続ける作家もおりました。

偉くなったから、もういいや、と言う雰囲気が伝わってきます。

有名なエピソードがあります。

あまりにも、高名な作家たちが毎年同じような絵を描くので、(絵のスタイルを変えることはある意味売れるかどうかのリスクがありますから、みんな変えません) とある評論家が、公募展に行かないで、昨年同様のとある作家の絵を評論して発表してしまいました。

これは画家と評論家も、マンネリの極地であったことを意味します。

当然。もうその評論家は死んだも同然。大問題となりました。!!!!賄賂を先生に渡して生徒さんが入選する。

お話になりません。

だから私は審査員の好き嫌いで選ばれる賞というものが嫌いです。公募展に少し属していましたが、独学にしました。

今でも、ただ名前だけの作家たち。

生き様が弱い。

マイルス・ディヴィスのすごいところは。jazzの範疇を乗り越えて、ロックやハウスのビートもやって、例えばmiles in the skyと言うアルバムが、ファンから、大歓声で迎えられると、突然、今度は、確か、on the cornerみたいなpopな曲を作るわけですね。

ある意味、ファンを裏切るわけですが、本人は、ただひたすら、音楽の新しい音を追求しているだけです。

私は彼のような生き方に憧れます。

認められないこと、なんという素晴らしいことか。

artは自由です。

artに国境も差別もありません。

ただ、私は小林秀雄氏が言うようなartが基本的に好きですし、私の目標です。

「芸術とは歴史に埋もれたる人間を救い出す網を案出することである。」

昔は、娯楽がありませんでした。

スマホも。

テレビも。

ゲームも。

だから、人は50年で冠婚葬祭だけしっかりやって死にました。

そんな時。

一人の少年少女は、友達から借りた本を読んでは、

感動して涙を流して、ああ、今ここに、生きている。!!!

感動です。!!!!

それが、救い出す網の、意味ですね。