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  心のサプリ (絵のある生活) 

画家KIYOTOの病的記録・備忘録ブログ
至高体験の刻を大切に
絵のある生活 を 広めたいです !!!

 月に20本ほどのDVDを借りて、かたっぱしから、見ているのだが、本とCDが中心の日々なので、テレビをまったく見ない日が多いのに、どうしてもDVDは、iBookで列車の中で見ることになる。

 しかも、流行っている作品には、気をつけているので、耳を押さえて目を閉じて、なるべく近寄らないようにしている。
 だから、たまに、好きな作品を見つけていてももうすでに皆、その作品のことは忘れていることが多いので、私は嬉しいのである。


 「フラガール」、記録しておきます。
 地球最後の日には牡蠣を食べたいと言い、1450ccのハーレーダビッドソンのバイクで、峰不二子の真似をするというのも、彼女らしくて、いいですネ。
 ギリシャ鼻の性格は、「プライド」が高いと言いますね。
 「デトロイト・メタル・シティ」の彼女も彼女らしい、ほんとはどうなのかは別として、彼女のキャラがよく編集されておりますネ。
 まさに、女優はつくられる、というところですか。


 三丁目の夕日を押しのけての外国部門のアカデミー賞のノミネーションの日本代表に選ばれたのも当然でしょう。
 このような、どうしょうもない、「町」「人々」「クラス」「群れ」が、カリスマ的な「異端の訪問者」いわば、テレオマですね、によって、すこしずつ、変容していくというテーマとパターンがありますね。
 ウービー・ゴールドバーグの「天使にラブソング」でしたか、あれと同じパターンです。
 私は文学や小説は、「白鯨」のように筋書きが脱線したかのようにわけのわからないことがどんどん書き込まれて行くようなジョイス的な文学が、大好きで、シュールなものや過剰なる文学に目がないのですが、
ことシネマに関しては、この「成長していく不良達」というパターンものは、異常に好みです。

 パターン。これがみそ。
 大マンネリ、しかし、涙が出るのです。

 アホみたいなストーリーなのに、次の展開がわかっているのに、涙がふとでる。そんな人のこころに
 普遍的にある涙腺を刺激する、その、安っぽさがたまりませんね。

 炭坑と言えば、私の岩見沢の近くの三笠や映画にも出ました、木村さんが転校する夕張などにも友人がたくさんおりまして、やはり事故で親戚を亡くすことがありましたネ。

 だから、あの炭坑のシーンはリアルで懐かしかったですね。
 その汚い居酒屋でひとり東京娘が飲んでいるシーン。そこにからんでいく若者、いいです。

 方言はこれまた作品に豊かさと笑いを与えます。
 三島由紀夫も「潮騒」の会話は、現地の人に方言にしてもらって、それで書いたとどこかで書いておりました。
 東北、巫女、雪山、宮沢賢治、寺山修司、うちの親父、などなど、連想が妄想となりどんどん広がって行きます。
  

  けふのうちに
 とほくへ いってしまふ わたくしの いもうとよ
 みぞれがふって おもては へんに あかるいのだ
  (あめゆじゅ とてちて けんじゃ)


なぜか、意味なくこの詩があたまに浮かんだ。

 意味なく、民謡が、1965年の福島だから、関係ないはずなんだが、山の人生・・柳田国男・・連想してしまいますネ。なぜか、楢山節考まで。

 神話民謡、好きです。

 蒼鉛(そうえん)いろの 暗い雲から
みぞれは びちょびちょ 沈んでくる
ああ とし子
死ぬといふ いまごろになって
わたくしを いっしゃう あかるく するために
こんな さっぱりした 雪のひとわんを
おまへは わたくしに たのんだのだ
ありがたう わたくしの けなげな いもうとよ
わたくしも まっすぐに すすんでいくから
(あめゆじゅ とてちて けんじゃ)


こんなイメージの北の国に、どうして、フラダンスのハワイなのか・・・
次第に概要が明らかになる。
そのサスペンス。

 しかし、フラダンスという軽い響きにだまされていなかったか。
 それがまさか手話みたいなものだとは。
 しっかり見ていると「腰の動き」だって意味があることが解る。
 
 もともと、ダンスは、本質的に性の意味合いを持っているだろう。

 女だから腰をふるのだ、というのはあたっていない。
 
 女が腰を横にふるのならば、男だって前後に腰をふるのだから、エルビィス・プレスリー。

 昔、ハワイだけはいくまいとひねくれた考えでいたのだが、なにかのはずみで、行くことになり、行った先で現地でダンスを見ることになる。
 そこには、300人ほどの各国の観光客がいて、私の前には、アメリカ人の夫婦がおりました。
 酒がすすむにつれ、英語がいいかげんなことを忘れた私は適当にあいづちを打ちながら、そのだんなさんと話をしていたのだが、彼が千歳に以前勤めていたパイロットだと聞いてその縁に驚いた。
 
 そのうちに、火踊りがはじまり、私はその「原始」を堪能した記憶がある。
 観光だと、一言ですませれないほどの、なにか、神話や本質的なハワイの神秘を感じる事ができたのだ。

 福島とハワイという、シュールな組み合わせは、マグリネットの名作である「男とライオン」のような
 不思議な組み合わせで、私を驚かせ、唸らせ、刺激した。

 もう誰もが見てしまってすでに話題にものぼらない作品を私はひとりで楽しみ、ひとりで記録にとっている。それも楽しい。

 岸部四郎の「死の棘」は見たいと思った。