「青い麦を書いた、異国の老女作家に、深い精神的な血縁を感じた」 瀬戸内晴美 |   心のサプリ (絵のある生活) 

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コレットがシェリを書いたのは48歳だし、「青い麦」は51歳、「シェリの最後」は54歳で発表されている。けっして早熟な作家ではなかったこと、長い年月をかけて、次第に自分の鉱脈をさがしあてたむしろ晩成型の資質であったことも、私には勇気づけられるものがある。
50歳から60歳になって、「牝猫」のようなみずみずしい官能の世界をこれほど美しく書けるコレットのような作家は、今も私の憧憬の的である。

瀬戸内晴美  「文学の才能」