これで私が子宮体癌が身内に公的に知られることとなった。

「がん」と言われるのは精神的に良くはないけれど、そのことについて私はそれほど落ち込んでもいない。
だって、初期だから。

そもそも今時癌は治るものになって来た。
イヤな響きではあるけれど、子宮体癌に関しては早期発見で5年生存率はかなり高い。
だから、大丈夫って思っている。

私が恐ろしいのは、手術の後である。
前回の手術は子宮に出来た不要のものを取る手術だった。
だから、体への負担はかなり軽かったのではないかと思う。
それでも目覚めた時は、やっぱり痛みが辛くて苦しんだ。

今回は本来体にあるものを取ってしまうのだ。
体への負担は、前回の比ではないだろう。
私は自分が癌に犯されたことより、そっちの方が怖いのである。
あの、耐えがたい痛みを、また経験しなければならないのか?って思うだけで憂鬱になる。 

そして、もう1つ辛いものがある。
今回のカミングアウトで、妹は元々来ることになっていたが、娘と息子も急きょ休みを取ることになったのだ。 

「行くに決まってんじゃん!バカじゃないの?」
娘はそう言った。
おおかた、息子にも「あんたも来なさいよ」とでも言って脅かしたのではないかと思う。

子供達はしばらく私がいる町に来ていない。
仕事も忙しいし、もともとあの子達は幼稚園から大学まで、育ったのは札幌だったので私の実家があるこの町に来ても友達も居ない訳で、なかなか来るきっかけがなかった。

私も田舎がつまらなくて、毎年夏は私のほうから東京に遊びに行ってた。
でも今回は、私の病気が発覚したから、この機会にみんなで集まろうということになったらしい。
それが悲しいのである。

せっかく久しぶりに会えるのに、私はベッドの上だなんて、悲しすぎるではないか!
一緒に美味しいものを食べに行ったり、夜通しつもる話もしたかった。
それなのに、なんで!

それが今から辛くてたまらない。
治すためだよ、仕方ない。
そう言われても、子供のように駄々をこねたくもなる。
なんと、4日間も居てくれるそうな。
それも寂しい。

都会のにおいをぷんぷんさせて、私を田舎に置いてまた帰ってしまうなんて。
せっかく会えたのに、病み上がりの私を1人置いて行かなければならないなんて残酷すぎる。
取り残されるのは、もうイヤだ!

私は渋々実家に戻って来た。
田舎がイヤで、子供の頃から都会志向だった。
妹もそうだ。
今は関東に住み、私と母が住む実家には二度と戻りたくないと言っている。

私も今住んでいる町は嫌い。
でも、母を置いては行けない。
住む町を嫌うから、土地の神様が怒って私を病気にしたのかな。

私に会いに来てくれるのは嬉しいけど、帰った後の寂しさと戦うのが、すごく悲しい。
だから、病気のことなんかより、今私が怖いのは手術の後の苦しみと家族に置いて行かれる寂しさ。
この2つである。