歌が聴こえる懇ろに

誰かの命と心中の

伝え損ねた思い達


咲いては散った道端で

燃え滓残して荼毘に付す

だからこんなに辛いのだ


歌が聴こえる懇ろに

流れる雲の頸筋や

木漏れ日揺れる膝元に


僕で良ければ歌いましょう

犬と散歩の川沿いで

猫とうたた寝縁側で


歌が聴こえる懇ろに

いつかは僕も歌になり

誰かが聴いてくれましょう