幼子は

波と戯れ

砂遊び

拙さ慕う

生きる瞬き


人として

学び歩けば

型を知り

孕む自由を

説き伏せながら


時を経て

重ねた分だけ

頑なに

心の糧は

砂の楼閣


打ち寄せる

波は幾度と

呼び止めた

返事無くとも

見捨てもせずに


黄昏に

沈む夕日の

紅は

乞うた赦しの

形代に燃え


満天の

星を押し除け

十六夜が

波間に堕ちて

沈んだ光


幼子が

波と戯れ

砂遊び

最後に見せた

面影を追う