たった5年間だけ使った名字。

初めは慣れなくて気恥ずかしくも思っていたけど、
息子が生まれ名前を書く機会が増え始め、
段々と私の名前になりつつありました。


本当は、婚姻時の姓を名乗ろうと考えていましたが、
実家の近くに引っ越すことになったのと、
息子がまだ小さいということもあって、
旧姓に戻すことにしました。


私は離婚届を出すだけで旧姓に戻り、
新しい戸籍を得ることができましたが、
息子はそういきません。


親権者が誰と書こうが、子どもは父親の戸籍に残り、名字も自動で変わりません。


子どもの名字を変え、私の戸籍に入れるには家庭裁判所で子の氏変更申し立てをし、許可が降りた後、役所で入籍届を出します。


これまで家庭裁判所なんて縁がなく、
とても緊張しながら行ったのを覚えています。

入り口では空港のような手荷物検査が実施され、
待合室は弁護士バッチをつけた方がたくさんおられました。


私は家事事件の受付に行き、
申し立て書を記入して、収入印紙を買い、
1時間待つだけでした。
※即日審理をしていただきました。


待ち時間、待合室でコーヒーを飲んでいると、
これから調停や裁判を行う人たちが弁護士さんに色々と相談していました。


「私は離婚をしたくなかった」

「財産分与に納得がいかない」

「親権は必ず私が取りたい」


などなど、夫婦それぞれの戦いがあちらこちらにありました。


みんな普通の顔をしながら、重いものを背負ってる。


「私だけじゃない」と変に勇気をもらい、
待合室で待っていると個室に呼ばれました。

身分証明書を提示し、子の氏変更申し立ての許可書をいただき、「この足で役所に行かれることをオススメします。」と言われました。


お言葉通り、そのまま役所に行き、息子を私の戸籍に入籍させました。


離婚から5日。
とにかく忙殺される日々でした。