私たちの離婚は100%決まっていましたが、
義母だけは何とか復縁させようと必死でした。
「離婚するとはどういうことか」
「嫌なことなんて結婚生活では当たり前にある」
「離婚したい!なんて何回も思うことだ」
「子どもに会えなくなったらどうするんだ」
もう完全に気持ちが切れた夫に、
何度も考え直すように説得していました。
私には義母の気持ちが透けて見えていました。
孫は私たちの子どもしかおらず、
生まれてからずっと溺愛していました。
「離婚」するということは「孫に会えなくなる」。
それを何とかする為に、私の味方でいようとしてくれ、自宅に招いてこれまで通りに料理を振る舞ってくれることもありました。
義母だけではなく義父も初孫への愛情は相当なもので、
目尻を下げて息子を見つめる様子に、私は心が痛くなりました。
義父母に会うたびに、夫に対しバカヤロウという気持ちが強くなりました。
私は夫が父親として全うしようとするなら、
父子としての関係は積極的に持てば良いと思っていましたし、
そうなれば義父母ともこれまでのように交流できたはずです。
自分の行い一つで、両親に孫と会わせる機会を得ることも失うこともできる。
離婚話をしている時に、私は義家族との付き合いは夫を介して続ければ良いと伝えていました。
「孫」の可愛さ、愛おしさは私にはまだ分かりません。
けれど、両家の親の可愛がりようを見れば一目瞭然でした。
血を分けた我が子の子ども。
どこか子どもに似ていて、小さくて柔らかくて素直で、笑顔と癒しを与えてくれる存在なのだと思います。
会えなくなるなんて考えたくない。
手放すなんてあり得ない。
義母の強い気持ちを理解しながらも、
私は一線を引く日を見つめていました。