息子が頻繁に体調を崩すようになり、
救急車で運ばれたことがありました。


5日間の入院で、私はずっと付き添っていました。
もちろん夫にも連絡しましたが、飛んでくる気配はありませんでした。


とは言え、息子を心配するLINEは届いていた為、
命に関わる程ではないから仕事を優先しているんだろうくらいに考えていました。


入院2日目の夜に義姉から食事の誘いがあり、
その際に息子の入院を伝えてお断りしたことで、
義家族全員が知ることになりました。


早速、義母と義姉がお見舞いに来てくれ、
息子も嬉しそうにしていました。


「日曜くらい息子と付き添い交代しなきゃ。
息子にちゃんと言っておくから。」


と義母にも言っていただき、
仕事が休みの夫に付き添いを代わってもらうことにしました。




けれど、午前中に姿を現わすことはなく、
連絡も取れない状況でした。

すると間も無く義父がお見舞いに来てくれて、
気づけばお昼を過ぎていました。


やっと連絡が取れたのは、14時前。
電話に気づかなかったと言い訳していましたが、
外泊して寝ていたのは明白でした。


やっと来たかと思えば、開口一番にこう言いました。


「何でうちの親が入院してること知ってんの?」


まるで私が告げ口でもしたかのような言い草。

何であなたは大切なことを家族に言わないの?
という言葉は飲み込んで、ただただ経緯を説明しました。


食事に誘ってきた義姉に不快感を表し、
義父に怒鳴られた一件に対しても私が夫の悪口を吹聴しているような言いがかりをつけてきました。


「もう私の知る夫ではないな。」


目の前にいるのは、私を憎んでいるただの男。
息子の存在だけで嫌々繋がっているだけの男。



そんなことに気付きながら、
私はまだ父親としての愛の灯火だけはあると信じていました。


だから息子を託し、家に戻り、数日分の洗濯をし、布団のカバーを替え、久しぶりにシャワーを浴びました。


義母からは1日交代しないとと言われていましたが、
息子が不安になるだろうと夕食までに戻るつもりでいました。


病院に戻ろうと最寄駅に行くと、人身事故で電車がストップしていて、駅構内は再開を待つ人でいっぱい。

タクシーも列をなしていて、
仕方なく30分ほど待ってバスに乗ることにしました。


このことについて夫に連絡していたら、
「18時には病院出たい。約束あるから。」と返ってきました。


確かに息子は命に関わる病気ではありません。
しかし、子どもが入院するのは一大事です。
まして入院してからまともに顔を出したのはこの時だけ。


こんな時に遊び?約束?


もう夫と言い争うのは無駄だと知りながら、
黙っていられなくなりました。