息子はしょっちゅう熱を出す子でした。


ある休日の昼。
グズグズと不機嫌が続き、熱を計ってみると40度を越えていました。


急いで救急に行く準備をしていると、
久しぶりに義母から連絡がきました。


今から救急に行くことを伝え、
帰宅して息子が眠った頃に再度連絡しました。


「買い物行けてないでしょ?なんか買っていくよ!」


と言われ、迷ったけれどお願いすることにしました。
今まで義家族に甘えずにきましたが、今回は頼んだ方が良さそうだと思い、お言葉に甘えることにしました。



両手に買い物袋を抱えた義母。
顔を見るのは久しぶりでした。


いつも通り明るく話し、他愛のない会話をしていましたが、
夫が負担になっていることは分かっていたので、
色々ご心配とご迷惑をおかけして申し訳ありませんと謝罪しました。



さっきまで明るく笑っていた義母が顔を覆い、
謝罪の言葉を口にしました。


「違うの!あなたが謝ることじゃないの。
元々息子が悪いんだから。

本当にごめんね。
私も娘がいるから、反対の親の立場になったら許せない!って思うから。

私の育て方が悪かったの。
本当に申し訳ないと思ってる。

結婚したら落ち着くと思っていたけど、
やっぱりダメだったのね。

もう本当に情けない!

あの子には一生償いながら生きていけとは言ったんだけど、響いてんのかどうか…」



私はこの時、夫に対して怒りが込み上げました。
いい歳して母親を泣かせて、謝らせて。

息子を庇いたいはずなのに、守りたいはずなのに、
それをさせる余地もないくらいのことをして。




私の離婚話しをすると、珍しいとよく言われました。
義家族全員が私を気遣い、今後のことを本当の家族のように考えてくれたからです。


「息子とはもう縁を切ってもいいから。
あなたと孫の幸せを願いたいから。」


とても嬉しかったし、
前に進む勇気をもらいました。